...そこにおいて安全静穏な生活を営んでいる現況だった...
海野十三 「奇賊は支払う」
...穏かならぬ少数の者のために...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ご婦人はその優しく穏やかな気立てには...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「サセックスの吸血鬼」
...穏かな自足の気持ちでいるようでした...
豊島与志雄 「旅だち」
...彼の眼は先達より穏かで...
豊島与志雄 「別れの辞」
...穏かでないのは、これが城下の人ではなく、蓑笠(みのかさ)をつけ得物(えもの)を取った、百姓一揆(いっき)とも見れば見られぬこともない人々であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...立ち上った権幕が穏かでないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕は決して安穏ではありません...
長與善郎 「青銅の基督」
...穏(おだや)かに敬太郎の返事を聞いただけで...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「それからどうした」と穏やかに平次...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...穏かに暮してゆくには...
林芙美子 「新版 放浪記」
...三方四方円く納まる」ト穏便をおもって言ッてくれる...
二葉亭四迷 「浮雲」
...何か不穏な雲行だからと...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...特にこの句に更衣を用ゐたるは今は二人の者が世帯を持ちて平穏に暮らしをる事を現はさんがためにして...
正岡子規 「俳諧大要」
...また他方はその隣人の不穏な行動が許す程度で平和に暮している...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...草一本だって生えていない穏かさだからね...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...とにかくそうすることによって平穏に暮してゆけるかも知れない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「御薬園の支配方へ出ることになりました」「わしは大目付へ推挙した、そのことは云ってあった筈だが、忘れたのか」「うかがったようにも思いますが……」「ようにも思う」「そうです、たしか昌雲寺でしたろう、大目付の記録所支配という方から、そのうち空席があったら、という……」「それがわしの推挙で、その席はもう定っていたのも同様だ、それを承知しながら、断わりもなく他へ転役するというのは、どういうわけだ、わしの推挙が気にいらぬのか」「むろん、そんなことはございません」穏便、穏便、と胸のなかで自制しながら、半之助は努めて温和に答えた...
山本周五郎 「山彦乙女」
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