...彼の表情は穏かでなかつた...
徳田秋聲 「彷徨へる」
...はいってゆこうとする猫(ねこ)のようなひそやかなおずおずした穏かさで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一剋である外に欠点はない彼は正直で勤勉でそうして平穏な生涯を継続して来た...
長塚節 「太十と其犬」
...穏便とか現状維持とかいう言葉には一般の人ほど重きを置いていない...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...安穏に送らせて進ぜよう...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...平穏な顔で鼾をかいていた...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...穏坊はスパスパと吹かしていた煙管を自分の腰かけている石で叩きながら「そうさねー...
正岡子規 「死後」
...この美しい穏かな都の...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...紫檀(したん)の軸で穏健な体裁である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それで己(おのれ)は家族を安穏な地位において...
森鴎外 「阿部一族」
...深い物思に夜を穏(おだやか)に眠ることの出来なかった為めではあるまいか...
森鴎外 「百物語」
...彼は「心持が穏やかであるか気むずかしいかは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...というふうなことだったよ」「鯨はときどきあがったらしいよ」と鉄さんは穏やかに云った...
山本周五郎 「青べか物語」
...道場での稽古ぶりもずっと穏やかになり...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...矢代の苦渋を早や察した救助の穏かな笑顔だった...
横光利一 「旅愁」
...もういつもの笑顔に戻り穏やかなお辞儀をした...
横光利一 「旅愁」
...ひたすら穏便にとのみの上意なれば……」と...
吉川英治 「私本太平記」
...大変穏やかになって来たのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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