...胸の波さへ穏やかなる安心の蓮台(れんだい)に休らふを得るに至れる也...
石川啄木 「閑天地」
...ね」神中の声は昔ながら穏かなおっとりした声であった...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...平穏どころではない...
外村繁 「澪標」
...憂鬱(ゆううつ)な静穏さを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どんなことでも自分のなしてることを穏やかに愛すという一事だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不時におたずねして済みませぬ」それは存外穏かな...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し虐(むご)たらしいようにも思いますので」せっかく表向きだけでも転んで(改宗)平穏な生活をしている切支丹宗徒たち...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日ごろ穏健を主義とする局長としては...
久生十蘭 「魔都」
...風も穏かで塵(ちり)も起(た)たず...
二葉亭四迷 「浮雲」
...すがすがしい夏の朝、穏やかで静寂、南から涼しい風がそよぎ、自然の全てが喜びに溢れ、生きていること自体が楽しい日...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...こころ穏やかじゃない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...恐らく湖面からの蒸発のために起る朝靄の粒が湖上静穏の日には相合して稍大粒の水滴となり...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...私の生涯の間に於ても比較的無事平穏な期間に属する静かな生活を送ることができた...
三好達治 「柘榴の花」
...それでも神経の平穏な時は故郷の家の様子が俤(おもかげ)に立つて来るに過ぎない...
森鴎外 「妄想」
...安穏(あんのん)な顔つきで立っていった...
山本周五郎 「おばな沢」
...然しこうして始まった松山での生活も平穏な日は少なかった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...実に穏かな天作のその眼を見るのは...
横光利一 「夜の靴」
...どうも不穏な文字が見える...
吉川英治 「三国志」
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