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伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...海の方からして、真黒な雲が出て来たと思うと、早手(はやて)の風が吹起って、川浪も立てば、穂波も立ち、見る見る昼も夜の如く暗くなって、大夕立、大雷鳴(かみなり)...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...野に出ればススキの穂波が銀にきらめく...
高村光太郎 「山の秋」
...いちじくたくさんならせてゐるいちめんの稲穂波だつお祭の鐘がきこえる厄日あとさきの雲のゆききの...
種田山頭火 「其中日記」
...総々(ふさふさ)とした白い穂波(ほなみ)を漂(ただよ)わす...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...地は再び黄金の穂波が明るく照り渡る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...尾花が白い穂波をあげて揺れているのが...
久生十蘭 「母子像」
...大和平(やまとだいら)一帯が秋の収穫を前にしていかにもふさふさと稲の穂波を打たせながら拡がっている...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...さしあげた手は風に吹かれる穂波であった...
本庄陸男 「石狩川」
...ただ麦畑の穂波の一個所が...
三好十郎 「おりき」
...何かわけのわからぬ鼻唄を無心にフンフンとやりながら麦畑のウネをヒョコリヒョコリと越えて穂波の中にもぐり込んで行き...
三好十郎 「おりき」
...麦の穂波の向うに見えなくなり...
三好十郎 「おりき」
...泉の上の小丘を蔽(おお)って静まっていた萱(かや)の穂波の一点が二つに割れてざわめいた...
横光利一 「日輪」
...草玉の穂波の上に半身を浮かべて立っている卑狗の大兄の方へ歩いていった...
横光利一 「日輪」
...穂波を揃えた稲ばかりというところはここだけだった...
横光利一 「夜の靴」
...後から稲の穂波がまだ囁(ささや)きかけ追っかけて来るような余韻を吹かせてくる...
横光利一 「夜の靴」
...延徳街道と穂波のほうから戸狩へはいる白い道すじを見張っていた...
吉川英治 「銀河まつり」
...稲(いね)の穂波(ほなみ)一「……オ...
吉川英治 「黒田如水」
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