...もししからば幸いに稿を携(たずさ)え去って...
有島武郎 「星座」
...ひとり片田舎に隠れて其驚異すべき処女作小説を脱稿するや...
石川啄木 「閑天地」
...二階の六畳に閉ぢこもつて、原稿用紙、少し書きかけては、くしやくしやに丸めて壁に投げつけ、寝ころんで煙草吸つたり、また起き上つて、こつこつ書いたり、毎夜、おそくまで、眠らずにゐる...
太宰治 「火の鳥」
...今試みに渡辺世祐博士の「稿本石田三成」に依ってそれらの異説を列挙すると...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...余はゴルドンを描(えが)く其原稿紙上に乃木将軍の面影(おもかげ)がちらり/\と徂(い)ったり徠(き)たりするを禁じ得なかった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...稿本が出來ると、版下屋が版下を描き、版木屋が版木を彫り、やがて雙紙などでみる、袂を手拭で結へた丁髷親爺の「すりて」が、一枚づつ丹念に「ばれん」でこすつたのであらう...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...旧稿に手を入れてみた...
豊島与志雄 「レ・ミゼラブル」
...大正七年稿...
永井荷風 「書かでもの記」
...まだ原稿料で生活の方を何とかしようというほど家計も困っていないし...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...立花咲子がそれからズーッと原稿を書いて居たらしいことは...
野村胡堂 「流行作家の死」
...大塚氏の方へも文献解説の御脱稿を御願いすると共に御案内申し上げておきます...
野呂栄太郎 「平野義太郎宛書簡」
...稿料を払つて詩を掲載するような雑誌はどこにもなかつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...あの小説原稿の紙切れさえ無かったら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...原稿に向つたが気が興(たかぶ)つて書けない...
眞山青果 「茗荷畠」
...原稿のこと、並、坪内ホームスのこと...
宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
...幕府末造の編纂に係る未定稿であるから...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...これまでもその点はずいぶん稿外の時間と労をついやしてきた...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...初めの二三枚は和文のタイプライターで打った宣言演説の原稿であり...
和辻哲郎 「夢」
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