...九号の二働き盛りの兄貴と親父は失業者一日を五十銭で働くおっかあと一日六十銭で働く二番目が稼(かせい)でいた「働くのもいらいけれど遊んでいるのもいろうですわい」一家七人の鼻の下がかわく日が多かった...
猪狩満直 「炭坑長屋物語」
...春になつたら少し稼がうと思つてゐます...
泉鏡花 「遺稿」
...妙な稼業もあったものだが...
谷譲次 「踊る地平線」
...懸命に稼いで(私のやうな行乞はまつたく筋肉労働である)残つたものは...
種田山頭火 「行乞記」
...それは卑しい稼業の女にあくまでも愛着している...
近松秋江 「黒髪」
...そこの仮店(かりみせ)で夫婦が稼ぎ得た収入が二千円近くもあったところから...
徳田秋声 「あらくれ」
...その病室にはアメリカへ出稼ぎに行つて...
南部修太郎 「病院の窓」
...――板の間稼ぎはよくあることですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私が二十五万ポンド稼ぐたびに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...半公認の稼業(かぎょう)にしているのだった...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...稼がせてもらえれば...
正岡容 「寄席」
...私はふつと思ひついて自分で忘れてゐた余技に気がつき「おれは現金稼(げんきんかせ)ぎにハンコ屋になつて見ようか知ら……」とさう思つたのである...
宮地嘉六 「老残」
...あんたのとこみたいにいい稼ぎがあればいいんだけれど...
山本周五郎 「季節のない街」
...だいぶいい稼ぎをしたらしいって話でしたよ」「それじゃあ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...この街道で稼ぐというのは違法ではないか...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...そのまま前科者二千余人の元締ともいうべき炭坑王の荒稼ぎを引き継いで...
夢野久作 「女坑主」
...でもつひに、一軒で呼ばれたのを手始めに、十錢稼いだ...
吉川英治 「折々の記」
...稼ぎのない野武士たちか...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索