...彼女は自分で食(く)ひ扶持(ぶち)を稼いでゐるので...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...夜の稼業(かぎょう)に疲れて少時間の眠りを取ろうとする女たちを困らせていたのはもちろん...
徳田秋声 「縮図」
...聞き澄(すま)して居るとイギリスの労働者が海を越して遠く熱帯の地に出稼ぎに行く心持が...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...どうかして人の稼ぎためを食いつぶして...
中里介山 「大菩薩峠」
...眼と鼻の間に住んでいても、稼業が違うと、こうも逢わないものか」東作は渋い茶一杯淹(い)れるでもない冷たい態度で、少し茶化し加減にこう言うのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...はばかりながら稼業の方はちゃんとやりましたよ」ガラッ八は狭い単衣(ひとえ)で膝(ひざ)っ小僧を包みながら乗出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一向人の驚かない稼業(かげふ)がある」「へエ――」「駕籠屋と飛脚だよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...江戸一番の人入れ稼業になった心祝いの酒盛りだったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なかなかの稼(かせ)ぎになった」とドーナルは答(こた)えた...
ダグラス・ハイド Douglas Hyde 館野浩美訳 「首なし」
...最大の関心はひたすらお金を稼ぐことだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...彼らの平均の稼ぎ高は一週間十シリングであり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...をぢさんにミトメ刻つてもらはう思うてな」リンタク屋になれば少くとも一日千円は稼げるといふ...
宮地嘉六 「老残」
...かうなつては一生懸命になつて稼がなくてはならないと思ひますの...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...時を稼いでいたものに違いない...
吉川英治 「私本太平記」
...稼業も差し止めい」とばかり...
吉川英治 「私本太平記」
...それで田舎茶屋を稼(かせ)ぎ歩いていますうちに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...荷持や馬方の稼(かせ)ぎにも...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...稼(かせ)いで返しゃいいわけだから」「そうだとも...
吉川英治 「野槌の百」
便利!手書き漢字入力検索