...花見か何かにでも来ているように稲荷ずしを食べて話し合っていた...
芥川龍之介 「本所両国」
...私は見よう見まねで稲荷ずしや...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...もともと冷たいその稲荷ずしのめしを氷のように冷たくしていて...
高見順 「如何なる星の下に」
...夜になると「おいなアりさーん」と言って稲荷ずしを売り歩くのがいて...
高見順 「如何なる星の下に」
...現在ではもう、下町の方はよく知らないが、山の手の方では、そうした「おいなアりさーん」とか「カリン、カリン」とか「なべやアき、うどん」とか、――ピュウヒョロヒョロという支那ソバ屋のチャルメラの音さえほとんど聞かれなくなったが、――思えば、稲荷ずしには、そんな懐しい思い出があり、そんな稲荷ずしを口にすると思い出が蘇(よみがえ)り、それに子供らしい火事見物の気分からか、私はひどく子供っぽい気持になっていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...それからあの稲荷ずしなども時勢には伴わないものだがちょっと面白いものといって好かった...
田山花袋 「日本橋附近」
...かつてずっと前にその稲荷ずしと千住の大橋の袂にあった稲荷ずしとの優劣を論じたことなどもあったがそれももう昔のことになった...
田山花袋 「日本橋附近」
...稲荷ずしの屋台店が出て――そんなことはないが――サミイとアンは死ぬ日まで...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
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