...現在ではもう、下町の方はよく知らないが、山の手の方では、そうした「おいなアりさーん」とか「カリン、カリン」とか「なべやアき、うどん」とか、――ピュウヒョロヒョロという支那ソバ屋のチャルメラの音さえほとんど聞かれなくなったが、――思えば、稲荷ずしには、そんな懐しい思い出があり、そんな稲荷ずしを口にすると思い出が蘇(よみがえ)り、それに子供らしい火事見物の気分からか、私はひどく子供っぽい気持になっていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...“苧環をくりかけてあり梅の宿”“何処やらに鶴の声きく霞かな”“駒ヶ嶽に日和さだめて稲の花”井月の偽筆! 彼は地下で微苦笑してゐることだろう!┌塩原本家 軸...
種田山頭火 「旅日記」
...「稲荷山三つの灯し火明らかに心をみがく鍛冶の道…」のその最初から...
豊島与志雄 「白木蓮」
...百姓が笠を持って稲叢の側に休んでいるところを彫んだ像です...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...稲田屋旅館と云ふ商人宿の看板が眼に止まると...
林芙美子 「朝夕」
...穀菽(こくしゅく)の守護神である倉稲魂神(うかのみたまのかみ)...
本庄陸男 「石狩川」
...風間真一氏の川沿ひの家――(早稲田文学) は全体が力弱いのが難である...
牧野信一 「浪曼的月評」
...その海王の粮(かて)というは稲で...
南方熊楠 「十二支考」
...稲ちゃんのところで御馳走になり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...きのう稲子さんがもって来てくれた綺麗な綺麗なチューリップの植込みを眺めつつ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...微熱を出して居ます(稲ちゃん)大切にしなくては...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...稲ちゃんの手紙でね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そこのお稲に聞いて見ろ! たって田を踏んで行きたきやあ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...一里も下にはチャンと出来ている稲作だ...
三好十郎 「樹氷」
...稲本に通った時仲の町の鶴彦(つるひこ)であった...
森鴎外 「細木香以」
...稲荷信仰のこと辻川の部落の中ほどを...
柳田国男 「故郷七十年」
...日本人の起源はやはり稲作と結びつけて考える必要があると思う...
柳田国男 「故郷七十年」
...稲作作業の全体に参加していた頃からの遺風かと思う...
柳田国男 「木綿以前の事」
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