...気稟(きひん)の然らしむる所か頭の下(さが)つた事を云へば...
芥川龍之介 「支那の画」
...もし彼に独自の道を切り開いて行く天稟(てんぴん)がないのなら...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...結局それをその構成者の稟資(ひんし)(temperament)に帰することが出来るといっている...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...その天稟(てんぴん)の性質を失って...
伊波普猷 「進化論より見たる沖縄の廃藩置県」
...高邁(こうまい)ノ精神ヲ喚起シ兄ガ天稟(てんぴん)ノ才能ヲ完成スルハ君ガ天ト人トヨリ賦与サレタル天職ナルヲ自覚サレヨ...
太宰治 「虚構の春」
...その天稟(てんぴん)の勘を働かせて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しなしなしたがるような女性的稟質男子(おんなのようなおとこのこ)を...
長谷川時雨 「西川小りん」
...天稟にもとづいたことでもあろうが...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...日本の芸道の精髄は気稟にあった...
宮本百合子 「雨の小やみ」
...荷風や武麟や丹羽のかく市井風俗との気稟のちがいを感じます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私は曾て萩原君の天稟を指して...
室生犀星 「愛の詩集」
...二月二十二日棠軒は亡父の遺した阿部家の紋服を著ることを稟請した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...即ち遺伝に依って稟(う)け継いだ性質が多分に含まれている事は学者の証明するところであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...……立てッ……」戦国武士の血を多分に稟(う)け継いでいる忠之は...
夢野久作 「名君忠之」
...天子は天稟(てんぴん)の玉質であらねばならぬ...
吉川英治 「三国志」
...さらに天稟(てんぴん)の武勇と血と涙とを...
吉川英治 「神州天馬侠」
...節をつけて――」五――父にあらざれば生れず母にあらざれば育せずここをもって気を父の胤(たね)に稟(う)け形を母の胎内(たいない)に托(たく)す誦(よ)み手は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...天稟(てんぴん)の才質ではありますまい...
吉川英治 「宮本武蔵」
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