...唯彼等の天稟(てんびん)によって...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...いちいちその訴へをあざやかにお裁きになつたといふほどの天稟の御英才を相州さまともあらうお方がわからぬなどといふ事はございませぬ...
太宰治 「右大臣実朝」
...もちろん天稟(てんぴん)の素質もあったに相違ないが...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...本来稟質(ひんしつ)が薄く...
徳田秋声 「縮図」
...若い音楽家が自分の音楽的天稟(てんぴん)を話しに来て...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...元來は書に就ては天稟の技倆のある支那人は...
内藤湖南 「北派の書論」
...しかもそが天稟(てんぴん)の傾向たる写生の精神に至つては終始変ずる事なく...
永井荷風 「江戸芸術論」
...プロータスは女子が綺羅(きら)を飾るの性癖をもってその天稟(てんぴん)の醜を蔽(おお)うの陋策(ろうさく)にもとづくものとせり...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...口の固い相手に物を言はせる腕にかけては天稟の名人で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それに詩人や批評家としての天稟を恵まれている珍しい人です...
原民喜 「ある手紙」
...暇な折々にこの天稟を用立てますが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...よほど素晴らしい芸術的稟質が必要であるから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私は曾て萩原君の天稟を指して...
室生犀星 「愛の詩集」
...八月廿一日に公に稟(まう)して柏軒の喪を発した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...こうした能静氏の風格を稟(う)け継いだ事は云う迄もない...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...兵庫の天稟(てんぴん)の才を愛したのである...
吉川英治 「剣の四君子」
...その人の天稟(てんぴん)がないか...
吉川英治 「親鸞」
...気稟(きひん)がみえる」「人物らしいな」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
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