...「稚い緑りの草の葉は...
石川三四郎 「土民生活」
...稚い時は左程でもなかつたが...
石川啄木 「葬列」
...稚い時からの戀の最後を...
石川啄木 「鳥影」
...二人が稚い時の追憶談(おもひでがたり)...
石川啄木 「天鵞絨」
...私は稚い心で、藤野さんが二人の従兄弟に苛責(いぢめ)られて泣いたので、阿母さんが簪を呉れて賺(すか)したのであらうと想像して、何といふ事もなく富太郎のノツペリした面相(つらつき)が憎らしく、妙な心地で家に帰つた事があつた...
石川啄木 「二筋の血」
...すると稚い子が嬉しさうに向ふへ駈けて行つて母にその返事をいひ付けてゐるやうな樣子が聽こえる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...また稚いものゝ眼には余り多くの好奇心を惹かなかつた...
田山花袋 「子供と旅」
...稚い時分近所同士であったこの男には...
徳田秋声 「黴」
...塀の外にゐた以前のやうな稚い愛らしい心がなくなつて...
永井荷風 「鴎外先生」
...まだ寒い早春の藪鶯の稚い声をきき...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...稚いけれども純朴な人道的なこころもちと...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第一巻)」
...貴方に対する無言の厭悪が稚いこの遊戯の面に現れ出るとは!L...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...稚い恋も行われる...
宮本百合子 「毛の指環」
...娘さんの稚い心くばりを...
宮本百合子 「行為の価値」
...贅沢品の一部と思われるうちは文化も稚い足どりというわけでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そんな盛装の父しか記憶にのこっていない稚い伊予子は...
矢田津世子 「女心拾遺」
...稚い龍子はいきり立って...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...賞められると稚い龍子は何度でもそれをしてみせた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
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