...稚い時からの戀の最後を...
石川啄木 「鳥影」
...稚い時から極く穏(おとな)しい性質で...
石川啄木 「天鵞絨」
...今是等の稚い預言者等は君が教会の大厦を破砕しさうである...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「法王の祈祷」
...稚い正義観でそれがあるとするならば――しかし彼は高城の若々しい頬や色艶の良い腕首を眺め廻した...
梅崎春生 「日の果て」
...また稚いものゝ眼には余り多くの好奇心を惹かなかつた...
田山花袋 「子供と旅」
...なんの奇もないながらかすかなさびのある茶の花は稚い折の思ひ出にふさはしい花である...
中勘助 「銀の匙」
...まだ寒い早春の藪鶯の稚い声をきき...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...「働きたかったら、ここで働けばいい」「事務や庶務なら、正直なところ、気乗りがしないんです」柚子はながい間、稚い才覚で、自分一人の生活を、設計施工してきたわけで、廿代(はたち)の娘の手にあまるような、むずかしいことでも軽々とやってのけるが、あまりにまっすぐな積極性が、時には、うるさい感じをおこさせないでもない...
久生十蘭 「春雪」
...稚い眼で新聞を見...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...明治のはじめ頃にその牡丹屋の主人がまだ稚い子を殘して亡くなると...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...貴方に対する無言の厭悪が稚いこの遊戯の面に現れ出るとは!L...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...まだ稚い作品ではあるけれどもリアリスティックな文学の筋の上に立っている...
宮本百合子 「稚いが地味でよい」
...「死」によって浄化された幼児の稚い美くしさはまぼしいほどに輝き渡る...
宮本百合子 「悲しめる心」
...贅沢品の一部と思われるうちは文化も稚い足どりというわけでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...君はまた自然の儘で、稚い、それでも銀の柔毛(にこげ)を持つた栗の若葉のやうに真純な、感傷家(センチメンタリスト)であつた...
室生犀星 「抒情小曲集」
...これも稚いわたくしの眼には興なく見えた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...稚い龍子はいきり立って...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...自分の稚い誠実の妄想をまもるために...
山川方夫 「演技の果て」
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