...稚い時は左程でもなかつたが...
石川啄木 「葬列」
...稚い時からの恋の最後(をはり)を...
石川啄木 「鳥影」
...稚い時から極く穏(おとな)しい性質で...
石川啄木 「天鵞絨」
...二人が稚い時の追憶談(おもひでがたり)...
石川啄木 「天鵞絨」
......
立原道造 「萱草に寄す」
...また稚いものゝ眼には余り多くの好奇心を惹かなかつた...
田山花袋 「子供と旅」
...稚い時分近所同士であったこの男には...
徳田秋声 「黴」
...まだ寒い早春の藪鶯の稚い声をきき...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...「働きたかったら、ここで働けばいい」「事務や庶務なら、正直なところ、気乗りがしないんです」柚子はながい間、稚い才覚で、自分一人の生活を、設計施工してきたわけで、廿代(はたち)の娘の手にあまるような、むずかしいことでも軽々とやってのけるが、あまりにまっすぐな積極性が、時には、うるさい感じをおこさせないでもない...
久生十蘭 「春雪」
...稚いといっても小説は地味に大体このような組立てで書かれていってよいものだと思う...
宮本百合子 「稚いが地味でよい」
...その声よりも稚い国民学校の子供たち...
宮本百合子 「豪華版」
...贅沢品の一部と思われるうちは文化も稚い足どりというわけでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...君はまた自然の儘で、稚い、それでも銀の柔毛(にこげ)を持つた栗の若葉のやうに真純な、感傷家(センチメンタリスト)であつた...
室生犀星 「抒情小曲集」
...そんな盛装の父しか記憶にのこっていない稚い伊予子は...
矢田津世子 「女心拾遺」
...これも稚いわたくしの眼には興なく見えた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...稚い龍子はいきり立って...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...自分の稚い誠実の妄想をまもるために...
山川方夫 「演技の果て」
...稚い者にもわかるように...
吉川英治 「親鸞」
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