...『牡丹燈籠』は『書生気質』の終結した時より較(や)やおくれて南伝馬町の稗史出版社(今の吉川弘文館の横町)から若林蔵氏の速記したのを出版したので...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...そして燃残りの太い幹で、一間置きまたは二間置き位いに柵(さく)を造って土留として、六、七十度の傾斜地を、五十度なり四十度なりに僅かずつ平にして、蕎麦(そば)、粟、稗(ひえ)、豆の類を作るので、麦などはとても出来ぬ...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...如何に粟や稗の飯でも...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...その命令によつて稗田の阿禮の誦み習つたものを記したことを述べる...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...稗史者流、殊に宗吾の事に附會して、漫りに蜃氣樓をかまへ、正信の眞相、長く埋沒せむとす...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...田に米蒔きて稗得しや...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...冷たい稗はザラ/\して咽(のど)を通らぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...自分に稗を食わした...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...到底那須野(なすの)に稗(ひえ)を作った乃木さん程の上手な百姓は出来ぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...遅桜もまだ散り尽さぬ頃から聞えはじめる苗売の声の如き、人はまだ袷をもぬがぬ中早くも秋を知らせる虫売の如き、其他風鈴売、葱売、稗蒔売、朝顔売の如き、いずれか俳諧中の景物にあらざるはない...
永井荷風 「巷の声」
...私のために大きな稗蒔きの鉢をかって...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...いい声で稗搗節(ひえつきぶし)をうたう...
久生十蘭 「あなたも私も」
...歌が聞えたもんですから……」いまの稗搗節を聞かれてしまった...
久生十蘭 「あなたも私も」
...縁に腰をかけて稗搗節をうたったりするので...
久生十蘭 「あなたも私も」
...かへつて幼時一読せし稗史(はいし)小説の永く忘られざるにても知るべし...
正岡子規 「病牀譫語」
...稗は黒い穂を出しました...
宮沢賢治 「狼森と笊森、盗森」
...支那文学の影響も稗史(はいし)小説...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...稗米(ひえまい)の握飯(むすび)に梅干(うめぼし)の入ったのを一つ...
吉川英治 「松のや露八」
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