...明皇(めいくわう)夢中に見る所と做(な)すは素(もと)より稗官(ひくわん)の妄誕(まうたん)のみ...
芥川龍之介 「八宝飯」
...稗だつて、食ひなれれば、馨しうてうまいものぢや……』いつもはそんな話をしたことさへないのに、今日はすらすらと話し出すのを若い尼もたゞめづらしいことにして、じつとその顏を打眺め眺めた...
田山花袋 「道綱の母」
...よく/\の家でなければ純稗(さらひえ)の飯は食わぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...博文館が帝国文庫という総称の下に江戸時代の稗史(はいし)小説の復刻をなし始めたのはその頃からであろう...
永井荷風 「十六、七のころ」
...認識された病気は、結膜炎――主症状は、発赤、腫脹、分泌、であって、それぞれ独立に治療される――炎症性角膜混濁、角膜の膿瘍、流涙症、縮瞳症、白斑症、眼瞼の斑状出血、斜視、稗粒腫、結膜浮腫、眼瞼下垂、逆さまつげ、など...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...「稗蒔(ひえま)き」が来る...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...『枯葉』などという、しゃれたシャンソンも知らないわけではないけれど、稗搗節のほうが、今日の気分にピッタリする...
久生十蘭 「あなたも私も」
...或る学問の系統的進歩に何等稗益するものではない...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...稗(ひえ)でも藁でも...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...ただしエリスの『古英国稗史賦品彙(スペシメンス・オヴ・アーリー・イングリッシュ・メトリカル・ローマンセス)』二版一巻六二頁に...
南方熊楠 「十二支考」
...支那文学の影響も稗史(はいし)小説...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...稗海(はいかい)第三函(かん)等に収められてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...たとへば岩手縣の稗貫郡では枝豆餅...
柳田國男 「食料名彙」
...稗だんごの味までが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...今戸焼の鉢へ稗(ひえ)をまいて案山子(かかし)や白鷺をあしらった稗蒔(ま)き...
山本笑月 「明治世相百話」
...一椀の稗粥に会うと...
吉川英治 「新書太閤記」
...朝の稗飯(ひえめし)を食べてしまうと...
吉川英治 「茶漬三略」
...をり/\路ばたの畑で稗や粟を刈つてゐる人を見た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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