...稗飯(ひえめし)でも構はんによつて...
石川啄木 「赤痢」
...いな大いに世の文明を進め人の智識を加うるに稗益あり...
宇田川文海 「松の操美人の生埋」
...そして燃残りの太い幹で、一間置きまたは二間置き位いに柵(さく)を造って土留として、六、七十度の傾斜地を、五十度なり四十度なりに僅かずつ平にして、蕎麦(そば)、粟、稗(ひえ)、豆の類を作るので、麦などはとても出来ぬ...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...遥か稗田山の麓には...
橘外男 「仁王門」
...畑では稗(ひえ)が黒く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...冷たい稗はザラ/\して咽(のど)を通らぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...豆の葉は黄ばんで稗や粟の穗が傾いて居る...
長塚節 「松蟲草」
...余は其風情ある後姿を見おくりながらかういふ閑寂の境地に豆や稗を作つて居る百姓は幸であると思つた...
長塚節 「松蟲草」
...あるいは稗史(はいし)でよく知っている...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...「今や報讐(かたきうち)の稗史(そうし)世に行われて童児これを愛す...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...南部領、盛岡の城下から東南、南部米の米所で作毛三分二厘五毛、西の方、山つづきの場所は青立(あおだち)も見られず、七戸以北、北郡一帯は稗、粟もない...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...或る学問の系統的進歩に何等稗益するものではない...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...稗(ひえ)の根もとにせっせと土をかけていました...
宮沢賢治 「かしわばやしの夜」
...稗粥を造ってお供えすることになっているそうです...
柳田國男 「日本の伝説」
...稗食(ひえぐ)い郎党...
吉川英治 「私本太平記」
...男とも女ともつかぬ風態をした人たちが大きな竈に火を焚いてせつせと稗を蒸してゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...をり/\路ばたの畑で稗や粟を刈つてゐる人を見た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...おりおり路ばたの畑で稗や粟を刈っている人を見た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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