...和漢の稗史野乗を何万巻となく読破した翁ではあるが...
内田魯庵 「露伴の出世咄」
...如何に粟や稗の飯でも...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...稗田の阿禮が讀むところの天武天皇の仰せの本辭を記し定めて獻上せよと仰せられましたので...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...近年随二落シテ乎稗史院本之泥中ニ一汚二塗シテ姓名ヲ一遂ニ不レ能脱スルコト二其ノ窟ヲ一...
京山人百樹 「北越雪譜」
...なにゆえ今日まで稗史(はいし)小説家の注意を惹(ひ)かなかったかを不思議に思った...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...粟も稗も馬鈴薯も取れなかったことを車中の旅客に話して聞かせたりなどした...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...畑では稗(ひえ)が黒く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...咽(のど)を稗(ひえ)が通る様に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...南部領、盛岡の城下から東南、南部米の米所で作毛三分二厘五毛、西の方、山つづきの場所は青立(あおだち)も見られず、七戸以北、北郡一帯は稗、粟もない...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...ジョン・ダンロプ中世末のイタリアの稗官(はいかん)どもが争うて残酷極まる殺人を描くに力(つと)め...
南方熊楠 「十二支考」
...稗(ひえ)の根もとにせつせと土をかけてゐました...
宮沢賢治 「かしはばやしの夜」
...大量の稗粟黍を食い潰させた小鳥飼と同様...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...且啻(たゞ)に兎園稗史(とゑんはいし)を排すべしとなすのみでは無い...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...昆布を細かく刻んで米・粟・稗などとともに飯に炊いて食べた...
柳田國男 「食料名彙」
...稗史小説も追い追い明治物が新刊され...
山本笑月 「明治世相百話」
...稗食(ひえぐ)い郎党...
吉川英治 「私本太平記」
...稗米(ひえまい)の握飯(むすび)に梅干(うめぼし)の入ったのを一つ...
吉川英治 「松のや露八」
...をり/\路ばたの畑で稗や粟を刈つてゐる人を見た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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