...明皇(めいくわう)夢中に見る所と做(な)すは素(もと)より稗官(ひくわん)の妄誕(まうたん)のみ...
芥川龍之介 「八宝飯」
...かつ稗益(ひえき)する所多い作品である...
上田敏 「『新訳源氏物語』初版の序」
...いな大いに世の文明を進め人の智識を加うるに稗益あり...
宇田川文海 「松の操美人の生埋」
...上食は粟(あは)に稗(ひえ)小豆をも交(まぜ)て喰(くら)ふ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...身に帯びるそれも極(ご)く軽い細身(ほそみ)の大小より外(ほか)には物の役に立つべき武器とては一ツもなく、日頃身に代えてもと秘蔵するのは古今の淫書(いんしょ)、稗史(はいし)、小説、過ぎし世の婦女子の玩具(がんぐ)にあらずんば傾城遊女(けいせいゆうじょ)が手道具の類(たぐい)ばかり...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その時のことです、相模の国の二宮金次郎という先生が、その年の季候をたいそう心配しておいでなさいましたが、土用にさしかかると、もう空の気色がなんとなく秋めいて来て、草木に当る風あたりが、気味の悪いほどヒヤヒヤしていましたが、ある時新茄子(しんなす)をよそから持って来てくれたものですから、その茄子を糠味噌(ぬかみそ)へつけさせて食べてみますと、どうしても秋茄子の味でございますから、これは只事ではねえぞ、さあ村の人たちよ、饑饉年が来るから用心しなさいと言って、その晩、夜どおし触書(ふれがき)をつくって諸方へ廻して、皆の者に勧めることには、明地(あきち)や空地(くうち)は勿論のこと、木棉(わた)を植えた畑をつぶしてもいいから、作(さく)をつくりなさい、蕎麦(そば)、大根、蕪菁(かぶら)、にんじんなどをたくさんお作りなさい、粟(あわ)、稗(ひえ)、大豆などは勿論のこと、すべて食料になるものは念を入れてお作りなさいとすすめ、御自分では、穀物の売物があると聞くと、なんでもかまわず、ドシドシ買入れ、お金が尽きた時は、貸金の証文までも抵当に入れてお金を借入れ、それで穀物を買い、人にもそのようにおすすめになりましたが、なにをそんなに二宮様がおあわてなさる、と本気にしなかったものもあるでございましたが、先生を信仰する人は、おっしゃる通りにやって、大助かりに助かったそうでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
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長塚節 「長塚節歌集 中」
...稗(ひえ)の根もとにせっせと土をかけていました...
宮沢賢治 「かしわばやしの夜」
...稗史(よみほん)などによく出ている山中の一軒家という書割であッた...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...稗の類も算へられたことゝ思ふ...
柳田國男 「食料名彙」
...たとへば岩手縣の稗貫郡では枝豆餅...
柳田國男 「食料名彙」
...稗や粟をもって塩を買うところもあった(塩俗問答集)...
柳田國男 「食料名彙」
...稗と米とを半々にまぜたものに限ってハワケという(採訪日誌)...
柳田國男 「食料名彙」
...しかも稗粉ほど旨くはないのが悲しいという意味であった...
柳田國男 「食料名彙」
...たとえば粟穂(あわぼ)稗穂(ひえぼ)の餅を食ってしまうことを粟刈り...
柳田国男 「年中行事覚書」
...稗(ひえ)や蕎麦(そば)の粉(こ)や屑米(くずまい)を挽(ひ)いたものを水で練って...
柳田国男 「木綿以前の事」
...現にアイヌの中の稗田阿礼(ひえだのあれ)などは...
柳田国男 「雪国の春」
...しかし陽(ひ)出(い)づる雲の大海をながめながら柏(かしわ)の葉でつつんだ稗(ひえ)飯を喰う味は...
吉川英治 「新書太閤記」
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