...山清水の小流(こながれ)のへりについてあとを慕いながら、いい程合で、透かして見ると、坂も大分急になった石道(いしころみち)で、誰がどっちのを解いたか、扱帯(しごき)をな、一条(ひとすじ)、湯女(ゆな)の手から後(うしろ)に取って、それをその少(わか)い貴婦人てった高島田のが、片手に控えて縋(すが)っています……もう笠は外して脊へ掛けて……絞(しぼり)の紅(あか)いのがね、松明(たいまつ)が揺れる度に、雪に薄紫に颯(さっ)と冴(さ)えながら、螺旋(らせん)の道条(みちすじ)にこう畝(うね)ると、そのたびに、崖の緋葉(もみじ)がちらちらと映りました、夢のようだ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...町から程合いの山手の景勝を探って...
徳田秋声 「仮装人物」
...薄尾花(すすきおばな)の中を歩みにかかる程合いのところで...
中里介山 「大菩薩峠」
...それからこれはカリンの木の下に程合の石が据ゑられて八つ手の木のひねびた三尺ばかりなのがその傍に植ゑられて石の上には鐵の燈籠がのつてる...
長塚節 「我が庭」
...凡そ程合ひのあるもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...およそ程合いのあるもので...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
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