...人の往来(ゆきき)も稀な築土路(ついじみち)には...
芥川龍之介 「邪宗門」
...母上は家を離れて遠く出で給ふこと稀なりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...彼は、日本の古銭の最も珍稀な蒐集や、一千年も前の陶器や、稀な絵画や、その他いろいろな物を持っている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...跫音(あしおと)稀なる山奥に春を歌ふ鶯の声を聞いて...
石川三四郎 「吾等の使命」
...あなたが極めて稀な除外例でなかったら...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...冬とはいふものゝまだ霜の下りるのも稀な十一月の十八日...
長塚節 「土浦の川口」
...此人が稀な美男であつた相だ...
長塚節 「菠薐草」
...肉欲を満足させ類い稀な美女を享楽することであった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの偉大なキュロスの稀なる完全を想像してか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その稀な例外の一つの場合に来るのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...世界にも類例の稀な特異な出版ではないだらうか...
柳宗悦 「和紙十年」
...この「街」ではかなり稀な例だが...
山本周五郎 「季節のない街」
...一つは藤尾の不仕合せが決して稀なものでなく...
山本周五郎 「新潮記」
...無口で柔順で、稀な孝行もので、良く働き、何の不快さもない静な性質だ...
横光利一 「夜の靴」
...私はその男の娘を見立てようとしている稀な情景だ...
横光利一 「夜の靴」
...見給へこの稀なる我家の桃色の笑顔を...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...いかさま稀な美人...
吉川英治 「剣難女難」
...類い稀な技巧と手際を発揮した...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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