...移り気がして一書に専らなることを得ないが...
市島春城 「読書八境」
...生来の器用と移り気に任せて実にさまざまのことをやったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いつもの移り気な性分にも似ずこの女に依って最も多く独(ひと)り寝のあじきなさを慰められて来たのだが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それほど彼女はこの老婆の絶え間のない小言や移り気に耐えてゆくのがつらかったのであるが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...青年男女の顔つきを――移り気な欲望や懸念(けねん)や皮肉などの波の過ぎるのがよく見て取られる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかもたいていその移り気には私心は含まれていない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...震え声で移り気だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...移り気なのである...
中島敦 「斗南先生」
...助手たちに対するこの告発はたしかに正しくはあったのだが、それらはみな、あの二人のまったく滑稽で、子供じみて、移り気で、自制のきかないたちからいうと、もっとずっと罪がないもののように解釈されるのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...パリのサロンで毎晩のように人々の耳から耳へ語り伝えられるあの移り気な話題の数々を全く知らなかった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...移り気で気まぐれ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...移り気な晩秋の空に出没する星の瞬きも移り気な頃である...
牧野信一 「凩日記」
...あの娘は移り気といふのか自惚が強過ぎるといふのか知らないが...
牧野信一 「早春のひところ」
...移り気であると自分の言われていることに疑いを持っていたから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...移り気な気分から生じたこの奔放な熱情を冷ますときには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...およそ我々の悟性くらい柔軟で移り気なものはない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もう移り気な葉子からすっかり見離されていた黒吉が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...たとえば移り気に多くの女を愛するものは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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