...どこか遠い空中に硝子の皿を垂れた秤(はかり)が一つ...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...次に天秤座で土星と火星の会合...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...わが懊悩(なやみ)のこれと向いて天秤(はかり)にかけられんことを」というは...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...銘々(めいめい)に秤へ懸りはじめた...
大阪圭吉 「死の快走船」
...秤(はか)り屋さん...
太宰治 「新樹の言葉」
...猫と女房とを天秤(てんびん)にかけると猫の方が重い...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...天秤棒が遠慮会釈(ゑんりよゑしやく)もなく肩を圧しつけ...
徳冨盧花 「水汲み」
...左翼弾圧とギャング狩りとを天秤にかけようとする社会人がないでもないのを見ると...
戸坂潤 「社会時評」
...そんな健全でない自己嘲笑はよし給え……それとも皮肉かね……君は君自身で妙な秤で評価しようとしている……」「そうだね、歪んだ秤だよ...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...こりやいゝ野郎でがしたよ」爺さんは天秤を杖に突きながら「何でも實子でなくちや駄目でがす...
長塚節 「教師」
...玩具(おもちや)のやうな小(ちひ)さな十露盤(そろばん)を出(だ)して商人(あきんど)は「皆掛(みながけ)が四百廿三匁(もんめ)二分(ぶ)だからなそれ」秤(はかり)の目(め)をお品(しな)に見(み)せて十露盤(そろばん)の玉(たま)を彈(はじ)いた...
長塚節 「土」
...もうショベルと天秤(てんびん)の時代は過ぎたなあ」といっていた...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...無理に通そうとすると車屋の黒のごとく不意に肴屋(さかなや)の天秤棒(てんびんぼう)を喰(くら)う恐れがある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...繭商人(まゆあきんど)が秤をもつて...
長谷川時雨 「桑摘み」
...朝の暗いうちから天秤に下げた籠を擔いで近在の村々に出かけて行つた...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...その点がまた衡器(こうき)の天秤とよく似ていたのである...
柳田国男 「母の手毬歌」
...ウンと天秤棒(てんびんぼう)で鍛(きた)えておくさ...
吉川英治 「醤油仏」
...秤(はかり)にかけてみても...
吉川英治 「宮本武蔵」
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