...」と天秤棒を心(しん)にして...
泉鏡花 「婦系図」
...普通の秤に掛ければ...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...この荷物を秤に懸けさえすれば...
大阪圭吉 「死の快走船」
...内部の床の上には、銹ついた鍵だの、釘だの、鎖だの、蝶番いだの、鑪だの、秤皿だの、分銅だの、その他あらゆる種類の鉄の廃物が山の様に積まれてあった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...ゼンマイ秤で目方を測るのは瓢箪(ひょうたん)で鯰(なまず)を捕える以上の難事であろう...
寺田寅彦 「方則について」
...天秤棒の下にはさむで出かける...
徳冨盧花 「水汲み」
...爺さんはやがて「旦那どうぞ見ておくんなせえまし」自分へ秤の目を讀めといふのである...
長塚節 「教師」
...天秤商人(てんびんあきうど)の持(も)つて來(く)るのは大抵(たいてい)屑(くづ)ばかりである...
長塚節 「土」
...明日(あした)天秤棒(てんびんぼう)檐(かつ)いで出(で)る支障(さはり)にならあ」剽輕(へうきん)な相手(あひて)は思(おも)ひ出(だ)したやうにいつた...
長塚節 「土」
...古い鼓(つづみ)を天秤棒(てんびんぼう)に括(くく)りつけて...
夏目漱石 「永日小品」
...萬治三年京の神善四郎、江戸の守隨家と爭つて敗れ、其權利を剥奪(はくだつ)されて後は、江戸の秤座――通四丁目の守隨彦太郎獨り榮えて、全國の秤を掌り、富貴權勢飛ぶ鳥を落す勢ひがあつたと言はれて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ここに秤(はかり)がある...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...改役がいそがしそうに小判を秤(はか)ったり...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...もう一手で敵の陣中目がけて両天秤の凱歌をあげさうになる途端...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...この天秤棒(てんびんぼう)とはけずり方がちがい...
柳田国男 「母の手毬歌」
...秤(はかり)で銀を量(はか)っているところが描いてある...
柳田国男 「木綿以前の事」
...秤(はかり)にかけて五十斤(きん)箱に詰めて...
吉川英治 「江戸三国志」
...西瓜売りは天秤(てんびん)を肩に歩いてゆく...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索