...股(もも)なんか天秤棒(てんびんぼう)ぐらいしかない...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...お役人の目の前で秤にかけるやら食べてみるやらして試験してお目にかけた...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...猫と女房とを天秤(てんびん)にかけると猫の方が重い...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...ずっと昔十二宮を定めた頃には秋分の日地球から太陽を望むとほぼ天秤星座(てんびんせいざ)に当ったので秋分をもって太陽天秤宮に入ると云っていたが...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...次にゼンマイ秤(ばかり)で物の目方を衡(はか)る場合を考えてみよう...
寺田寅彦 「方則について」
...秤(はかり)の一方の皿(さら)に僕の生命をのせ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...罪を計る秤(はかり)をすてよ――そは汝には許されないのだ...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...なあに手前だつて碌な目にや逢はれねえから駄目でがさあ」爺さんは急に氣がついたやうに「有難うごぜえました」といつてのめり相な體へ天秤を擔いだ...
長塚節 「教師」
...「生薑位はおめえ只ぶん投げて行くことにしてもいゝんだ」百姓がいふと「商人がおめえそれで立ちきれるかい」と天秤を杖につきながら商人がいつた...
長塚節 「隣室の客」
...丁度そういう目的に適(かな)うような自働記録ゼンマイ秤というものがあるので...
中谷宇吉郎 「雪」
...――三年目で山浦様に逢いたさ」「――――」恋と慾との両天秤で...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...龍(たつ)の口(くち)評定所へ秤座(はかりざ)御朱印紛失の旨を訴へ出るだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...秤座(はかりざ)のことは忘れるとなく忘れていると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...めいめい天秤で荷を担ぎ...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...米俵を計る棒秤の鉤に椅子をぶらさげて胡坐をかきながら...
牧野信一 「サクラの花びら」
...天保銭掛取りは天秤棒でかつぎ回った天保銭(てんぽうせん)といえば今でも少々頭の足りない人間を連想する...
山本笑月 「明治世相百話」
...こいつは日本左衛門と秤量(はかり)に掛けてどッちともいえない凶状持ち...
吉川英治 「江戸三国志」
...芸術がこの種の信仰に対して「あれかこれか」の秤(はかり)にかかるのは当然であろう...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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