...私の胸の中の秘めに秘めたる田舎くさい鈍重を見つけてしまうにきまって居る...
太宰治 「めくら草紙」
...人知れず悩む思いを秘めた白衣のヒロインの姿が描出されるのである...
寺田寅彦 「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」
...視線まなざしから人間の秘めたる考えを推し量ることが出来るという...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...秘めた七万両の宝が...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...が実は、海蔵寺三郎には、人に秘めたる、ひそやかな楽しみがあったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...将門が軍用金を秘めたとすれば...
野村胡堂 「古城の真昼」
...「秘めたる情事」有楽座初日へ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...なのに、メアリは決して不平を漏らさず、誰にも打ち明けず、胸に秘めたまま、最後には花心が腐って落ちるだろう……...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...弁明の言葉を胸に秘めたまゝ...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...同じ古い袿(うちぎ)に釈迦仏(しゃかぶつ)を懐中に秘めた彼女は言葉すくなに夫とならんで...
室生犀星 「津の国人」
...その筋にて秘めたるは...
森鴎外 「うたかたの記」
...(b)汝がうれしき酒こそ賢者をしてその愁(うれ)いを忘れしめその秘めたる思いを吐露せしむ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どうぞどうぞお願いで御座いますからこの絵巻物を(……と固く秘めたる懐中より取り出して渡しつつ)お寺から盗み出して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それとも被告自身の秘めた行為を意識しての悲しみであるのか明瞭に見極めることが出来なかつた...
横光利一 「マルクスの審判」
...その尽きざる快楽の欣求を秘めた肺腑を持って咲くであろう...
横光利一 「黙示のページ」
...自分も懐中深く持っている秘めたマッチを取り出し...
横光利一 「旅愁」
...一書を秘めた錦(にしき)の嚢(ふくろ)を彼に託した...
吉川英治 「三国志」
...古の謎を秘めたこの醜怪な巣穴は数えきれぬ時代の後...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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