...その上に秋海棠のやうな薄紅い草花の咲いた鉢を乗せてあるのが見えた...
田中貢太郎 「青い紐」
...友は秋海棠(しうかいだう)の花の咲き後(おく)れたるを摘(つ)みつゝわれに語りぬ...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...そこにそのころ秋海棠(しゅうかいどう)の絵のようにかすかに紅(くれない)を見せている...
田山花袋 「田舎教師」
...あゝしている間に秋海棠も咲き...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...秋海棠の花が門をはいった片隅に咲いていたのでみると...
豊島与志雄 「運命のままに」
...秋海棠(しゅうかいどう)がさいている...
中勘助 「胆石」
...わたしの家から移植(うつしう)えた秋海棠の花西瓜の色に咲きたる由書越(かきこ)された手紙の文言を思出してはなお更我慢がならず耳門(くぐり)の戸に手をかけるとすらすらと明いたのみならず...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...萎えたるこゝろしばらくは慰む刈萱と秋海棠とまじりぬと未だはみねどかなひたるべしわびしくも痩せたる草の刈萱は秋海棠の雨ながらみむ日ごろは熱たかければ...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...これも自分の子供時代から忘れ得ない秋海棠(しゅうかいどう)が...
夏目漱石 「行人」
...手水鉢(ちょうずばち)の蔭(かげ)に生えた秋海棠(しゅうかいどう)の葉が著るしく大きくなった...
夏目漱石 「それから」
...此(この)秋海棠(しうかいだう)は杉垣(すぎがき)のまだ引(ひ)き拔(ぬ)かれない前(まへ)から...
夏目漱石 「門」
...秋海棠は中国名すなわち漢名である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...また宝永六年(1709)出版の同著者『大和本草(やまとほんぞう)』によれば秋海棠の条下に「寛永年中ニ中華ヨリ初テ長崎ニ来ル...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...秋海棠は真に美麗な花が咲き何んとなく懐しい姿である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...この中国名の秋海棠を音読(おんどく)したシュウカイドウを...
牧野富太郎 「植物知識」
...秋海棠(しゅうかいどう)は宿根草本(しゅっこんそうほん)であるが...
牧野富太郎 「植物知識」
...僕のような全く画を知らん者が始めて秋海棠を画いてそれが秋海棠と見えるは写生のお蔭(かげ)である...
正岡子規 「画」
...秋海棠は尚衰へずに其梢を見せて居る...
正岡子規 「九月十四日の朝」
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