...彼は秋晴れの江戸の町を歩きながら...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...きょうは秋晴れである...
太宰治 「佐渡」
...皮膚が荒れてくる旅をつゞけてゐるすこしばかり買物もして旅の夫婦は石刻む音のしたしくて石刻む朝寒に旅焼けの顔をならべて・片輪同志で仲よい夫婦の旅・ざくりざくり稲刈るのみの・秋晴れの砂をふむよりくづれて鶏(トリ)を叱る声もうそ寒う着いたいそがしう飯たべて子を負うてまた野良へ・木葉落ちる声のひととき・貧乏の子沢山の朝から泣いてゐる・それでよろしい落葉を掃く十月十五日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...・夜あけの星がこまかい雨をこぼしてゐる・鳴くかよこほろぎ私も眠れない星空の土へ尿する・並木はるかに厄日ちかい風を見せてゐる秋晴れの音たてゝローラーがくる□・二百二十日の山草を刈る□・秋の水ひとすぢの道をくだるすわればまだ咲いてゐるなでしこ・かるかやへかるかやのゆれてゐるながれ掻くより澄むよりそこにしゞみ貝・水草いちめん感じやすい浮標(ウキ)□月がある...
種田山頭火 「行乞記」
...障子(しょうじ)のガラス越しに見える秋晴れの空を蜻蛉(とんぼ)の群れが引っ切りなしにだいたい南から北の方向に飛んで行く...
寺田寅彦 「柿の種」
...珍しい秋晴れの日に縁側へ出て庭をながめながら物を考えたりするのにぐあいのいいような腰の高い椅子があるといいと思う...
寺田寅彦 「柿の種」
...*秋晴れの午後二階の病床で読書していたら...
寺田寅彦 「柿の種」
...その向こういっぱいに秋晴れの空が広がっている...
寺田寅彦 「柿の種」
...カメラをさげて秋晴れの郊外を歩いている人たちはおそらく幾平方センチメートルの紙片の中に全武蔵野(むさしの)の秋を圧縮して持って来るつもりで歩いているのであろう...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...どこともない秋晴れの空の果てから聞こえてくるであろう...
寺田寅彦 「野球時代」
...秋晴れのよいお天気で...
豊島与志雄 「沼のほとり」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...秋晴れの日に今日は良いお天気だというようなものである...
中谷宇吉郎 「語呂の論理」
......
野口雨情 「沙上の夢」
...遅い!」――――――――――或る秋晴れの日に不図訪れて来た樽野に...
牧野信一 「鶴がゐた家」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...秋晴れの或る日...
山中貞雄 「森の石松」
...とんぼのように裏通りの秋晴れへ出て行った...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??