...秋晴れの日本橋(にほんばし)を渡る時でも...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...崩れ落ちた煉瓦やスレヱトも秋晴れの日の光にかがやいてゐた...
芥川龍之介 「ピアノ」
...まるで本ものの秋晴れの空が頭上にあるように思われた...
海野十三 「三十年後の東京」
...秋晴れ...
太宰治 「正義と微笑」
...・白髪(シラガ)剃りおとすうちに暮れてしまつた・こゝに白髪を剃りおとして去る・熟(ウ)れて垂れて稲は刈られるばかり秋晴れの屋根を葺く秋風の馬に水を飲ませる水の味も身にしむ秋となり・お天気がよすぎる独りぼつち・秋の土を掘りさげてゆく誰もゐないでコスモスそよいでゐる剥(ハ)いでもらつた柿のうまさが一銭行乞記の重要な出来事を書き洩らしてゐた――もう行乞をやめて宿へ帰る途上で...
種田山頭火 「行乞記」
...・夜あけの星がこまかい雨をこぼしてゐる・鳴くかよこほろぎ私も眠れない星空の土へ尿する・並木はるかに厄日ちかい風を見せてゐる秋晴れの音たてゝローラーがくる□・二百二十日の山草を刈る□・秋の水ひとすぢの道をくだるすわればまだ咲いてゐるなでしこ・かるかやへかるかやのゆれてゐるながれ掻くより澄むよりそこにしゞみ貝・水草いちめん感じやすい浮標(ウキ)□月がある...
種田山頭火 「行乞記」
...・朝やけ雨ふる大根まかううれておちる柿の音ですよ・ふるさとの柿のすこししぶくて秋晴二句・秋晴れの空ふかくノロシひゞいた秋晴れの道が分れるポストが赤い招魂祭二句ぬかづいて忠魂碑ほがらかまひるのみあかしのもゑつゞける□・秋ふかく...
種田山頭火 「其中日記」
...・食べるものはあるトマト畑のトマトが赤い・水のゆたかにうごめくもののかげ・空の青さが樹の青さへ石地蔵尊・秋晴れのみのむしが道のまんなかに市井事をうたふ・彼氏花を持ち彼女も持つ曼珠沙華秋の夜ふけて処女をなくした顔がうたふ(改作)・なんと大きな腹がアスフアルトの暑さ九月十六日朝は秋晴秋冷だつたが...
種田山頭火 「其中日記」
...・咲きつづく彼岸花みんな首を斬られてゐるうつくしい着物を干しならべ秋晴れ・百舌鳥が鋭くなつてアンテナのてつぺん・風のつめたくうらがへる草の葉・秋晴れて草の葉のかげ九月廿七日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...――秋晴れや爆煙散つて敵はなし九月十日曇――晴...
種田山頭火 「其中日記」
...珍しい秋晴れの日に縁側へ出て庭をながめながら物を考えたりするのにぐあいのいいような腰の高い椅子があるといいと思う...
寺田寅彦 「柿の種」
...その向こういっぱいに秋晴れの空が広がっている...
寺田寅彦 「柿の種」
...小林壽子さんとの三人連れで私は昨年高知からの歸途秋晴れのきれいな日に(十月二十七日)完全な設備のある愛生園を初めて見せて頂いて...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...或る麗わしい秋晴れの夕方であった...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...そして秋晴れの空の下で...
中谷宇吉郎 「温泉1」
...秋晴れといって、このごろは東京の空もいなかのように深く見える...
夏目漱石 「三四郎」
...深く刻まれていた彼は×(11)支部のキャップだった!拷問と監禁の鉄鎖の中で獄中の通信は実に苦難だった狭い窓を見た秋晴れの空はこんなにも青いだが鉄柵と...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
......
夢野久作 「猟奇歌」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??