...近所の女だの、年上の従姉妹(いとこ)だのに、母が絵解をするのを何時(いつ)か聞きかじつて、草双紙の中にある人物の来歴が分つたものだから、鳥山秋作照忠、大伴(おほとも)の若菜姫なんといふのが殊の外贔屓(ひいき)なんです...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...処が秋作、豊後之助の贔屓なのは分つて居るが、若菜姫が宜(よ)くツてならない、甚だ怪しからん、是(これ)は悪党の方だから、と思つて居たんです...
泉鏡花 「いろ扱ひ」
...剛子の従兄(いとこ)の秋作氏がすっかりこちらへ背中をみせ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作氏は、銀行家の沼間氏も、虚栄坊(みえぼう)の夫人も二人ながらだいきらいで、沼間夫妻をいつもあいつらという代名詞で呼んでいる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作氏が知っていた槇子は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作さんが、この『黒いお嬢さん』と二人で食堂へはいってきたとき、沼間の一族もそこにいた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作氏は、もう四五年、長六閣下のところへやって来ないが、毎年クリスマスになると、かならず、とぼけた玩具(おもちゃ)や小さな人形をキャラコさんに送ってよこした...
久生十蘭 「キャラコさん」
...(秋作氏は美しいな)下から仰ぎながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作氏はほほえましくなる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作氏は急にキャラコさんが可哀想になってきた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「三円!」こんどは秋作氏のほうがあっけにとられる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作氏は、また誤解した...
久生十蘭 「キャラコさん」
...漁船の中ですばやく水を吐かせた『恋人』の処置がよかったのと、すぐ医者が駆けつけて熱い辛子(からし)の湿布(しっぷ)をしてくれたので、ようやく命だけはとりとめ、肺炎にもならずにすんだが、ひどい疲労と高熱で意識不明のまま昏々と眠りつづけ、その眠りのうちに、悲しそうに身を(もが)きながら、「秋作さん、秋作さん」と、絶えず囈言(うわごと)をいう...
久生十蘭 「キャラコさん」
...やっぱり秋作氏を愛していたんだわ」秋作氏が『黒いお嬢さん』と二人でこのホテルへやって来てから...
久生十蘭 「キャラコさん」
...秋作さんへの心中立てに...
久生十蘭 「キャラコさん」
...従兄(いとこ)の秋作氏の親友の立上氏が来ていて...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そうです」従兄(いとこ)の秋作氏の友達に...
久生十蘭 「キャラコさん」
...詩亡びて然(しか)る後に春秋作(おこ)れり」(『孟子』離婁下)であるならば...
和辻哲郎 「孔子」
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