...私方にて同村なる某家へ差し置き難き用向きのため...
井上円了 「おばけの正体」
...旅館の番頭が大泉と大きく書いた提灯をつけて私方へ參り「今石川さんがお立ちになります...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...この裏千家も私方へ出入をした...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そうすると僧形の同職が、同じような調子で答えて、「その通りでございます、その通りの威力と、弁舌で、高圧的に、御都合之(こ)れ有り、尾州領木曾山林、三カ年間公儀へ借り置く旨(むね)の申渡しがありますと、鈴木千七郎殿それに答えて申さるるには、仰せの趣、たしかに承知致しました、しかし、私方にもこの際、一つのお願いの儀がござりまするが、幾重(いくえ)にもお聞届けのほど願わしうござりまする――と鈴木殿が、水野閣老に改まって申し出でたものでございます……そこで越前守が、願いの筋とは何事でござるぞ……千七郎殿答えて、余の儀でもござりませぬ、尾張の国一円、近年はことのほか豊作続きでござりまして、到るところ米穀が溢(あふ)れ、これを積み置く場所もなき有様でござりまする、野天(のてん)へ投げ出して、せっかくの天物を空(むな)しく風雨にさらし置くは勿体(もったい)なきことの至りでござりまする、それがために尾張領ではただいま、夜を日についで、その米穀の貯蔵所を建設中でござりまするが、なにぶんにも手廻り兼ねて、難儀を致している次第でござりますることゆえ、恐れ多い願いではござりますが、向う三年の間、大坂城を拝借の儀お許し下さるまじきや、大坂城を三年間お貸し下されて、尾張藩眼前の難儀をお救い下さるならば、木曾山三年間お借上げの儀も、まことに容易(たやす)き次第でござりまする……と、こう越前守の前で申し出でたものでございます」「なるほど……うまいところを言ったね、それで越前守が何と言ったい」「満座の者が、この少年家老の奇言に驚倒したそうでございます、ところが水野越前守殿が少年家老に向って、そのほう、少年の身でありながら、主人に一応の相談もなく、公儀に向って即答をなすとは奇怪千万――水野殿もさるものですから、こういって叱ると、鈴木少年家老は申しました、不肖ながら、それがしは尾張藩を代表して参上つかまつりました、拙者の申すところに一家中異議のあろうはずはござりませぬ、ときっぱりと言いきってしまったから問題はありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...或(あ)るとき私方に来て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...或日肥後七左衛門(ひごしちざえもん)が不意(ふい)と私方に来て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...島原藩士何某が私方に遣(やっ)て来て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...私方に飛込んで助かった事さえありましたが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...或日(あるひ)その書を私方に持参して...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...妻を娶て九子を生むソレから私方の家事家風を語りましょう...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ソレでも私方の孫子(まごこ)に限(かぎっ)て別段に我儘(わがまま)でもなし...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...なんかんと鹿爪(しかつめ)らしく私方へ来て満腹の気焔(きえん)を吐く者は幾らもある...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...慶應義塾先進の人達が私方に来て頻(しき)りにこの事を勧める...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...近々(きんきん)出立とて私方に告別に参り...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...」「私方へ頼久太郎と申を...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...私方(わたくしかた)菅(くわん)三も十五になり候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...私方へも片時立より申候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...久しき御病気も御本復被遊(あそばされ)私方の本懐も之れに過ぎ不申(もうさず)...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
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