...板のやうな掛蒲団を袷(あはせ)の上に被(かぶ)つて禿筆(ちびふで)を噛みつゝ原稿紙に対(むか)ふ日に焼けて銅(あかゞね)色をしたる頬の痩(やつ)れて顴骨(くわんこつ)の高く現れた神経質らしい仝(おな)じ年輩(としごろ)の男を冷やかに見て...
内田魯庵 「貧書生」
...傍の硯箱を引きよせて禿筆の先をかんだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...身をすててこそ楽しかりけれ――と禿筆に日頃の感懐を託した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...和尚さんが例の禿筆(ちびふで)をとったのがあちこちに立っている...
田山花袋 「田舎教師」
...それでは「禿筆倶樂部」の「發行」などは何うなるのか?これがも一つ外れて...
直木三十五 「春夫偏見」
...実に予が禿筆(とくひつ)の書き尽し得べき所に非ず...
野中到 「寒中滞岳記」
...禿筆(ちびふで)へたつぷり墨汁(すみ)を含ませて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...禿筆(ちびふで)へたっぷり墨汁(すみ)を含ませて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...番硬の禿筆(ちびふで)で根氣よく鼻紙三枚半にのたくらせたものです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...番硯(ばんすずり)の禿筆(ちびふで)で根気よく鼻紙三枚半にのたくらせたものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...番頭の禿筆(ちびふで)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これも禿筆の走り書で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それに禿筆(ちびふで)で書いたもの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...我輩は満天下の人を相手にしても一片の禿筆(とくひつ)以て之を追求して仮す所なかる可し...
福沢諭吉 「新女大学」
...意を尽し得なかつた禿筆を擱く...
牧野信一 「月評」
...序文に代う一日一題禿筆を呵し...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...禿筆(とくひつ)を用ゐて作つた草体が奔放を極めてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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