...その頭、禿げゆくままに、白壁の土蔵(どざう)の二階、黄金の宝の山は(目もはゆし、暗(やみ)の中にも...
石川啄木 「詩」
...大いに憂欝(ゆううつ)になるのですがねエ」と大江山課長は禿かかった前額(まえびたい)をツルリと撫であげた...
海野十三 「キド効果」
...折角ふだんから禿げた頭の中に几帳面に積みかさねておいたいろんな書物の知識も何の役にも立たなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...赭(あか)ちやけた山の禿などが段々見え出して来た...
田山録弥 「山間の旅舎」
...「若禿」の言葉に彼の頭はひっかかったのだった...
豊島与志雄 「田舎者」
...一匹の大きな禿鷹(はげたか)がいました...
豊島与志雄 「コーカサスの禿鷹」
...禿げ上った高い額の下から...
豊島与志雄 「未来の天才」
...用事の第一はお千代の身を禿頭(はげあたま)の囲者(かこいもの)にするためには...
永井荷風 「ひかげの花」
...額が禿げ上つてゐて出ッ腹の太つた男であつた...
中原中也 「校長」
...叔父の禿げあたまには極内(ごくない)だぞ」「それは...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...赭土(あかつち)の中にころがった大小さまざまの西瓜は埃(ほこり)にまみれて禿(は)げたような青い色を晒(さら)している...
火野葦平 「糞尿譚」
...禿げ頭を振りかざして...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...彼らはみんな頭が少しばかり禿げていて...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...彼は額(ひたい)の禿上った...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...おい禿鳶、六、七年ほど前を思い出してみな」「え...
吉川英治 「私本太平記」
...怒りっぽい禿久が妙に怒りもせず...
吉川英治 「新書太閤記」
...自(みずか)ら下根(げこん)の凡夫といい愚禿(ぐとく)と称した彼の安心の住みかは...
吉川英治 「親鸞」
...先生の一途なるさまもなみだなれ家十ばかりなる村の学校にひたひたと土踏み鳴らし真裸足に先生は教ふその体操を先生の頭の禿もたふとけれ此処に死なむと教ふるならめ遥か真下に白々とした谷の瀬々を見下しながらなお急いでいると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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