...馭者はたいがい幅つたい、福々しい顏で、妙に赤い斑點が出來てゐて、まるで血液が精分の強い食物のために皮膚の血管の一つ一つに漲つてでもゐるやうである...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...くくり頤(あご)の福々しいのに...
泉鏡花 「怨霊借用」
...つまり福々しい愛嬌のある人が客に応対して成功するものである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...巡査がどれもこれも福々しい人の好さそうな顔をしているのに反して...
寺田寅彦 「夢」
...福々しい元老もしくは分別臭い中老になった...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...福々しい幼顔(おさながお)はどこにも残って居らず...
徳永直 「冬枯れ」
...もうすこし福々しいお爺さんででもあるならば...
中里介山 「大菩薩峠」
...福々しい主人の彦太郎が神妙に控へます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...福々しい主人の彦太郎が神妙に控えます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誰でもかならず福々しい身の上になることができます...
羽仁もと子 「女中訓」
...どうして福々しい身の上にならずに終わることがありましょう...
羽仁もと子 「女中訓」
...十一年前にロンドンへ来たころは福々しいくらいに肥っていたのがとげとげと痩せ...
久生十蘭 「ハムレット」
...昔は藤十郎の恵比須顔(えびすがお)と言われたくらいの肉附のいい福々しい顔が...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...五十二三の福々しい恵比須顔...
久生十蘭 「魔都」
...福々しい大きな耳にしろ...
久生十蘭 「魔都」
...後者は布袋らしく福々しいところは少しもなく...
柳田国男 「山の人生」
...福々しい六十恰好の老紳士の紋服姿で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...今度は私と向ひ合ひに乘つてゐる福々しい老人が話しかけた...
若山牧水 「熊野奈智山」
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