...胡椒のやうにひりゝとした禅機の鋭さにかけては...
薄田泣菫 「茶話」
...転瞬(てんしゅん)の間に内外(ないげ)を断じ醜を美に回した禅機を賞し達人の所為(しょい)に庶幾(ちか)しと云ったと云うが読者諸賢(しょけん)は首肯(しゅこう)せらるるや否や(昭和八年六月)...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...禅機に充ち充ちた弁証法的過程の揚句に...
戸坂潤 「社会時評」
...剣道の至り尽せぬところに禅機の存することを覚(さと)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...このむさくろしき兵士らは仏光国師の熱喝(ねっかつ)を喫(きっ)した訳でもなかろうが驀地に進むと云う禅機(ぜんき)において時宗と古今(ここん)その揆(き)を一(いつ)にしている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...禅機(ぜんき)ある独仙君とは...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...いかに禅機があっても...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...禅機などから一転して急に世からのがれたくなったのではない事はあんまり知れすぎていた...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...禅機を語つて居るやうでもあらう...
平出修 「畜生道」
...勿論そこまで行くのは謂わば一つの禅機です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...禅機に達することだとは思わないが...
横光利一 「作家の生活」
...彼の解く禅機、われの信ずる禅機、それによる変と動き、それらの事は、口をもってはいい難い...
吉川英治 「上杉謙信」
...平時の日に坐っていた“禅”の禅機が生きて働いていたにちがいない...
吉川英治 「私本太平記」
...故快川和尚(こかいせんおしょう)の最期(さいご)のことば――心頭(しんとう)を滅却(めっきゃく)すれば火もまた涼(すず)し――の禅機(ぜんき)をあじわって...
吉川英治 「神州天馬侠」
...いわば大禅機である...
吉川英治 「新書太閤記」
...直指人心の禅機を――また寒流帯月の剣の秘微を――その心境になり切ってただ無我の一揮墨(きぼく)を...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...そもそも白虎(びゃっこ)和尚の禅機から発足していて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...危地から身を避(よ)ける剣の心機――」「心機とは」「禅機」「……では...
吉川英治 「宮本武蔵」
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