...いつでもそうおっしゃるの」「へえ元は何だったんです」「何でも天璋院(てんしょういん)様の御祐筆(ごゆうひつ)の妹の御嫁に行った先(さ)きの御(お)っかさんの甥(おい)の娘なんだって」「何ですって?」「あの天璋院様の御祐筆の妹の御嫁にいった……」「なるほど...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...阪田出雲の下役に堀金十郎という渡り祐筆がいた...
久生十蘭 「奥の海」
...祐筆(ゆうひつ)相田清祐のあざやかな手蹟(しゅせき)が読まれた...
本庄陸男 「石狩川」
...殿のお心ひとつです」「ご祐筆(ゆうひつ)――それなれば」と阿賀妻は相田清祐の赭(あか)ら顔をじっと見あげた...
本庄陸男 「石狩川」
...主君と祐筆(ゆうひつ)であった...
本庄陸男 「石狩川」
...既にして幾勢は再び黒田家の奥に入り、前(さき)の主に仕へ、祐筆を勤め、又京都産(うまれ)の女中二人と偕(とも)に、常に夫人の詠歌の相手に召されたさうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...八十五石)島仲 久一郎(表祐筆(ゆうひつ)...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...「なんだ?」祐筆(ゆうひつ)の安間了現(りょうげん)...
吉川英治 「私本太平記」
...祐筆の安間了現に願書をもたせて...
吉川英治 「私本太平記」
...祐筆(ゆうひつ)になにか書かせながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...十数名の祐筆(ゆうひつ)を臨時に選び...
吉川英治 「新書太閤記」
...本隊の祐筆(ゆうひつ)まで差出しておくように」柳ヶ瀬山中の一村は...
吉川英治 「新書太閤記」
...祐筆(ゆうひつ)三人ばかりを側において...
吉川英治 「新書太閤記」
...祐筆の筆の運びを眺めては...
吉川英治 「新書太閤記」
...……では、祐筆(ゆうひつ)をよべ」「はっ、御祐筆には、どなたを」「由己(ゆうこ)がよい」と、いったが、すぐ思い直し――「いや、料紙(りょうし)、硯(すずり)をもって来い...
吉川英治 「新書太閤記」
...祐筆は硯(すずり)を寄せ...
吉川英治 「新書太閤記」
...が――ここにただ一つ、これだけは確実に、彼の口から出て、彼が眼の前で、祐筆に書かせ、公然、四海に闡明(せんめい)したことばがある...
吉川英治 「茶漬三略」
...祐筆(ゆうひつ)がうけとって近侍(きんじ)にわたす...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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