...植物と言ふものゝ気味の悪さ!蟇最も美しい石竹色は確かに蟇(ひきがへる)の舌の色である...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...確かにくれないの軽雲の如く見えたが...
太宰治 「惜別」
...私も確かにそれを年増の方の女だと見たのであるが――突然に泳ぐような足取りで...
橘外男 「生不動」
...確かにクイリナアレの廻し者です! 私の読心術(テレパセイ)は...
谷譲次 「踊る地平線」
...そして確かにそう云われてみれば...
谷崎潤一郎 「細雪」
...確かにそうである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...其の確かに歸りしは正始八年以後魏の使張政等と偕にせし時に在り...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...七瀬と、綱手とは、人々から聞く、二人連の侍とは、確かに、池上と兵頭にちがいなかったし、その二人を援けたのは、きっと、益満であると考えた...
直木三十五 「南国太平記」
...足を折ったそうで不具(かたわ)になるかも知れません」「綱は確かに人が切ったのか」「匕首(あいくち)を綱の結び目に挟んであったそうだから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鳥羽田 確かに来るな...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...まだ確かに生地の白さと繊細さの名残はあって...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...確かにあの蛾が彼を惹きつけたのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...さう、それは確かに、それらの半ば夢見心地の、ぼんやりとした器具類にとつては、恐ろしい一時期であつた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...キスは確かに死んでいる...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...確かにもっともよく選んだものというべきである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しかも、それでいてその位置はというと、確かに、北海道の脊梁(せきりょう)山脈の中でも、人跡未踏の神秘境に相違ないのだから、その一軒家が何人(なんぴと)の住家であろうかは、容易に推測されない訳である...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...今朝のは確かに恐しい一つでした...
若山牧水 「樹木とその葉」
...シナ人を新しい造形美術に導いたものは確かにギリシアの芸術的精神の伝統であった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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