...」珊瑚碧樹の水茎は...
泉鏡花 「薄紅梅」
...此の春遊びにいつた三上山が平濶な野洲郡の碧落と緑樹と點綴せる上にくつきりと薄墨色に染まつて見えてゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...遠景の碧味がかった色を生ずるような塵はよほど小さなもので...
寺田寅彦 「塵埃と光」
...こういう黒髪黒髯(こくぜん)の人には珍しい碧眼(へきがん)に深海の色をたたえていた...
寺田寅彦 「北氷洋の氷の割れる音」
...彼はつゆ草の其れに優(ま)した美しい碧色を知らぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...真白い積乱雲が紺碧の空に躍り上っているのが見える...
外村繁 「澪標」
...空の色が以前ほど碧(あお)くなくなったという者などが...
中島敦 「文字禍」
...碧なる空のなからに...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...碧血(へきけつ)に染んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...斯うして花嫁衣袋を碧血(へきけつ)に染めたまゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」「碧玉のふちべ(コート・ダジール)というのだよ...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...「おい、今に、この碧海島へも、敵が攻めてくるかも知れないぞ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...軽蔑する娘の碧眼を避け...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...その上、子供の頃の面影もそれほどはつきり思ひ出せなくなつたが、髪の毛のすき透るやうな鳶色の具合、眼の玉の碧さ、そして皮膚の白い陶器に似た艶の態(さま)は、相当の注意を向けて眺めても混血児とは解らなかつた...
牧野信一 「南風譜」
...これは左千夫、碧梧桐、虚子、麓(ふもと)の四人を明日の夕刻来てくれと招き置きたる者にて、その用事は、頃日(けいじつ)余が企てたる興津(おきつ)へ転居の事今まで遷延(せんえん)して決せざりしを、諸氏と相談の上最後の決定をなさんとするなり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...落葉の早い碧梧桐(あおぎり)...
水上滝太郎 「果樹」
...よく晴れた冬の朝で高い高い碧空(あおぞら)をなにかしらぬ鳥が渡っている...
山本周五郎 「日本婦道記」
...あの大きな碧瞳(へきどう)をギョロリと光らし丹羽昌仙の耳もとへなにかの計略(はかりごと)をささやいて...
吉川英治 「神州天馬侠」
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