...して見ると遲くも午後の二時か三時には山口縣下の由宇の碇泊地へ入るのに相違ない...
芥川龍之介 「軍艦金剛航海記」
...翌日中碇泊するので...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...歌海の航行に碇も持たず羅針盤も持たないで...
伊藤左千夫 「『悲しき玩具』を読む」
...見送りましよとて濱まで出たが泣けてさらばが言へなんだ泣いてくれるな出船の時にや綱も碇も手につかぬこれも港の歌です...
江南文三 「相川おけさ」
...あの厭な碇泊所こそ正にそれであった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...涼しい樹陰(こかげ)に五六艘の和船(わせん)が集つて碇泊して居るさまが絵のやうに下に見えた...
田山花袋 「朝」
...あの一杯にぎつしりと集つて碇泊してゐる船...
田山録弥 「島の唄」
...「やあ――寒くなって」伊集院が、座につくと「四ツ本ならよかろうが、碇氏、国許から暴れ者が二人、名越へ着いたのを、御存じかな...
直木三十五 「南国太平記」
...船は碇をひきずったまま流れて行く...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...船は今港に碇を降して...
牧野信一 「船の中の鼠」
...――艦隊は暮から冬へかけて一勢に碇を降し...
牧野信一 「岬の春霞」
...○○方面を指して遠洋航海の碇を卷いたのは...
牧野信一 「緑の軍港」
...セピラの峠の上に敵艦の碇泊(ていはく)を認めましたので...
宮沢賢治 「烏の北斗七星」
...村上領夏島沖へ碇泊...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そしてその中央には、碇や、橈や、網を飾り立てたなかに、船乘り達の守神、優しい、冷やかな聖母が祭られた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...御幸浜(みゆきがはま)から碇(いかり)を抜く...
吉川英治 「篝火の女」
...碇(いかり)を下ろしている...
吉川英治 「新書太閤記」
...一つの入江の浪打際を過ぎて丘を越ゆると思いもかけぬ鼻先(はなさき)に碇泊中の帆柱がゆらりゆらりと揺れていると云った具合だ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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