...木犀らしい硬い常緑の葉の繁みはどこにも見られなかつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...もう一度強硬なかけあいに往った...
田中貢太郎 「寄席の没落」
...いかにも硬くかつしっかりした肉饅頭を持って這入って来た...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...」顔の筋肉などの硬張(こわば)ったお増は...
徳田秋声 「爛」
...」矩子は硬直したような顔をあげて...
豊島与志雄 「父の形見」
...蒼白く硬直して窮屈な棺のなかに合掌してる死骸をふとみればやっぱり妹のような気もする...
中勘助 「妹の死」
...齒(は)に硬(こは)く感(かん)ずる物(もの)でなければ食事(しよくじ)から食事(しよくじ)までの間(あひだ)を保(たも)ち能(あた)はぬ程(ほど)忽(たちま)ちに空腹(くうふく)を感(かん)じて畢(しま)ふからである...
長塚節 「土」
...俺(お)れも硬(こえ)え物(も)な噛(か)めねえから味噌(みそ)なくつちや仕(し)やうねえな...
長塚節 「土」
...物凄く硬張(こわば)って居りました...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...なほも硬い表情をしてゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...細やかではあるが葉に沢山な毛が生えて毛の本に硬い点床(ムラサキ科の植物には普通にそれがある)があって...
牧野富太郎 「植物記」
...強硬な意志の中にしっかりと根をおろし錨(いかり)をおろしている不徳にいたっては...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...硬い意外の表情が現われたが...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...硬いコンクリートの上に...
山川方夫 「非情な男」
...という気がして舌が硬ばり...
山本周五郎 「日本婦道記」
...熱海(ねっかい)の波あびて立つ鉢の松食慾は旺盛だが足に硬直が来る...
横光利一 「欧洲紀行」
...「それでは……行くしかないわ……ぜひもない……僧になったつもりで……引導(いんどう)をわたしてやる」やがて、近づく道誉の姿を見つけると、具行は、青芒(あおすすき)の戦(そよ)ぎの中で、ただ一つの戦(そよ)がない趺坐(ふざ)の石仏(せきぶつ)のごとく、硬直して、きっと相手をにらまえていた...
吉川英治 「私本太平記」
...彼女の寒々と硬(こわ)ばっていた暗い顔を...
吉川英治 「親鸞」
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