...如何にも爽快なリズムをもつたサラツサラツと松原の硬い砂地をかすめる松葉掻きの竹の箒(ほうき)の音が...
伊藤野枝 「白痴の母」
...やがて二つの硬球(こうきゅう)が双方から寄って来て...
海野十三 「共軛回転弾」
...ぴーんと硬直(こうちょく)したまま...
海野十三 「人造人間戦車の機密」
...手硬(てごわ)い奴じゃ」この某国大使館の...
海野十三 「大使館の始末機関」
...硬い白髯(しろひげ)や...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...硬軟両論が相対したのである...
中井正一 「図書館法楽屋話」
...それも少時(しばし)の間(ま)に何處(どこ)でも草木(さうもく)の葉(は)が硬(こは)ばつたり傷(きず)ついたりして一切(さい)が只(たゞ)がさ/\と混雜(こんざつ)して畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...そうしてその下に横(よこた)わる硬い文鳥を眺めた...
夏目漱石 「文鳥」
...手足の硬直(こわばり)...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...半クラウン硬貨を払ってしまい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...少し硬いくらいな額の明るい広さもそっくりだった...
室生犀星 「姫たちばな」
...誰が見ても硬派中の鏘々(そうそう)たるものである...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...我々はあの鋼鉄の板で我々の心までも硬くするには及ばない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...石のように冷たく硬直した頭...
山本周五郎 「日本婦道記」
...袴(はかま)をつかんでいる手指が鉤(かぎ)のように曲って硬ばり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...黒眼鏡は、それを見て、顔もからだも、硬直したように、竦(すく)んでしまった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...その硬ばった理平の顔と...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...一そう硬化の一途をたどっていたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??