...餘りにも破倫無道の擧たり...
石川啄木 「無題」
...戦野に於ける破倫(はりん)を彼は憎むわけには行かない筈であった...
梅崎春生 「日の果て」
...夫婦間の破倫行為が各階級を通じて(農民階級においては特に兵役のために)極めてあり触れた日常茶飯事となっている点である...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...すべて、その視力の及ぶ限りでは、人間というものの間に行われる、すべての汚辱と冒涜、破倫と没徳、醜悪と低劣、そういうものに向っては燃えつくような熱と、射るような力を以て、それを見のがすまいとはしています...
中里介山 「大菩薩峠」
...破倫といふほどのことでなくとも...
萩原朔太郎 「酒に就いて」
...その性格にはドストイエフスキイのやうな破倫性と病理學的憂鬱性とがあり...
萩原朔太郎 「本質的な文學者」
...そんな神意に背いた破倫を犯させはしません...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...直ちに破倫(はりん)非道の罪悪と速断しけるもまた強(あなが)ちに無理ならねど...
福田英子 「妾の半生涯」
...――彼の人物にあつては、崇高と破倫と、低い衝動と高い願望とが、解きほごしがたく、もつれ合つてゐる...
堀辰雄 「小説のことなど」
...えらいと云われる人間ほど、破倫、不道徳、不正をして来た...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...師直の破倫(はりん)...
吉川英治 「私本太平記」
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