...温かに相砥礪して行きたいと云ふ希望を持つてゐるのであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...玄武寺(げんむじ)の頂なる砥(と)のごとき巌(いわお)の面(おも)へ...
泉鏡花 「海の使者」
...そのほか「日本桃陰(とういん)比事」「鎌倉(けんそう)比事」馬琴の「青砥藤綱模稜案(あおとふじつなもりょうあん)」などいろいろあるが...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
......
武田祐吉 「古事記」
...竜宮までもと青砥ひとりは足ずりしてあせっていても...
太宰治 「新釈諸国噺」
...あの青砥はとんだ間抜けだ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...青砥は烈火の如く怒り...
太宰治 「新釈諸国噺」
...――大道坦として砥の如し...
種田山頭火 「行乞記」
...せっせと皮砥をかけている...
寺田寅彦 「柿の種」
...今は砥部焼といふ陶器の出来る所なのです...
松本幸四郎 「大森彦七と名和長年」
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室生犀星 「星より來れる者」
...行(おこなひ)を砥(と)ぎ名(な)を立(た)てんと欲(ほつ)する者(もの)は...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...こう衣(きぬ)は砥粉に塗れてもなかなかにうれしいぞイ...
山田美妙 「武蔵野」
...砥(と)のように平らな浅黄色に...
山本周五郎 「追いついた夢」
...砥石の上で、彼が静かに剃刀を返すと、なめらかな石の肌で、剃刀の刃が冷たい音をたてた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その井戸端の混凝土(タタキ)の向側に置いてある一個の砥石(といし)に眼を付けた...
夢野久作 「巡査辞職」
...武士訓などの日常のあらゆる生活のものを砥(と)にして「道」として確立しかけてはゐたが...
吉川英治 「折々の記」
...――と、人はいうが、もっと老人(としより)なのか、もっと若いのか、見当のつかない男で、話せば飄逸(ひょういつ)で元気で、わけて若い者をつかまえ、女ばなしなどは好きだし――風貌だけで見れば、歯は抜けているし、すこし猫背だし、魚の骨みたいに体には肉がないし、しじゅう水ッ洟(ぱな)はすすっているし、無精(ぶしょう)で、うす汚いこと、仕事場の漆(うるし)ベラや、砥(と)の土や、漆茶碗などと見分けのつかない程である...
吉川英治 「新書太閤記」
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