...辛うじて近づき得たる矮小なる影の國に過ぎなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...汝融和抱合の歡喜を知らざる矮小なる者よ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...高きに翔る心が矮小なる者を蔑視し...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...矮小なる實驗家(エツキスペリメンタリスト)の生涯と内容的に相接近して來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...偉大なる先駆者かもしくは矮小なる愚人かだ...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...その矮小な体躯は...
豊島与志雄 「ジャングル頭」
...肥大ならず、矮小ならず、膨張せず、萎縮せず、賑かからず、淋しからず、ただあるがままに満ち足って、空疎を知らず、漲溢を知らず、恐るることなく、蔑むことなき、清爽たる気魄である...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...その矮小なる男は立ち上がり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...瀧の上の巖の頂には矮小なひねびた松がかぶりついて居る...
長塚節 「痍のあと」
...一體此の中學の校長は體躯の矮小なのがみじめだ...
長塚節 「教師」
...太郎は矮小ないと貧弱な壮士風な男で...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...小馬は馬の矮小なもので三十二インチより五十六インチ高きもので自ずから種別多し...
南方熊楠 「十二支考」
...矮小な正木博士が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そうすれば電線の下にすくんでいる矮小な樹が街路樹であると考えるような大きな見当違いをしなくても済んだであろう...
和辻哲郎 「城」
...否定せられるのはただ矮小なる物質的福利あるいは名利(みょうり)の念を内容とする生活であって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...絶対界の光明の前には矮小なる人の煩悩は何らの陰をも投げない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...矮小なる人の内界も一度煩悩が征服せらるる時無限なる自由の境地を現じ得るのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...そうして矮小な人の間に存するあらゆる差別が...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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