...我知らず顔が紅くなる...
石川啄木 「鳥影」
...人間の貴い脳漿を迸ばらした十万巻の書冊が一片業火に亡びて焦土となったを知らず顔に...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...七年前のすさまじい焼け野原も「百年後」の恐ろしい破壊の荒野も知らず顔に...
寺田寅彦 「時事雑感」
...それがため我知らず顔を赤くしたのである...
永井荷風 「ひかげの花」
...知らず顔につれなうのみもてなしつるなり...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...青草が知らず顔に萋々(せいせい)と伸びている...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...思わず知らず顔が火照(ほて)った...
水上滝太郎 「九月一日」
...こんなので今日は失礼します」素知らず顔には言っていても...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かれにその気があればと宮が心でお思いになる衛門督は猫ほどにも心を惹(ひ)かぬのかまったくの知らず顔であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...父帝もこんなふうに自分の犯した罪を知っておいでになって知らず顔をお作りになったのではなかろうか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植ゑて見し花の主人(あるじ)もなき宿に知らず顔にて来居る鶯春の空を仰いで吐息(といき)をおつかれになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「人生の憂(う)さがわかりながら私の知らず顔をしていますのも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「御懇望にさえなればすぐにお許しになりたい思召しとうかがわれます」こんなふうに薫へ告げに来る人々もあるためあまりに知らず顔に冷淡なのも無礼なことであると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中の君は姫君がどんなに迷惑を覚えていることであろうとかわいそうで、知らず顔に、「中宮(ちゅうぐう)様の御病気のお知らせがあって、宮様は御所へお上がりになりましたから、今夜はお帰りがないと思います...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分を伴って恋人の家へ入れてくれたほどの好意を知らず顔に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...己がその女の名も知らず顔も知らぬのだから...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...吾れ知らず顔面の筋肉を緊張させたものです...
夢野久作 「卵」
...我知らず顔を赤らめ...
若松賤子 「黄金機会」
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