...葉子もまた知らず知らず自分をそれに適応させ...
有島武郎 「或る女」
...肩から手にかけて知らず知らず力がこもって...
有島武郎 「卑怯者」
...わがまゝらしい表情も宛(あたか)もとつてつけた面のやうに知らず知らず練吉の顔に浮ぶのだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その底を流れる情緒の加速運動があれば観客は知らず知らずつり込まれ引きずられて行く...
寺田寅彦 「映画芸術」
...個性だけでは知らず知らずの間に落ち込みやすい苟安自適(こうあんじてき)の泥沼(どろぬま)から引きずり出して...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...知らず知らず――実は夫は意識的でもあったのだが――アカデミーに対立する一つの理論的実勢力...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...知らず知らずのうちに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフまでが知らず知らず水の流れに従ってることを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...知らず知らず自分は...
中里介山 「大菩薩峠」
...知らず知らず注意を払っていたものと見えて...
夏目漱石 「行人」
...知らず知らず学校教員の癖を出し古本の談に惑わせたことに付ては読者の許容を乞わねばならぬ...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...知らず知らず一定の韻律がそこに形成されてくる...
萩原朔太郎 「青猫」
...ときどき変る、着るもんや食べもんの好みは、そないいえば、みんな姉の好きやったもんで、その何日かの間は、知らず知らず、姉になった気ィで行動していたように思われますねん……そうとわかると、本意(ほい)なう死んだ姉が、気の毒でいとしうて、うちなど、どないなってもかめへん、いつまでも離れんといて、思うとおりにうちの身体使(つこ)て、仕残したことをなんなりやったらええ、思うようになりましてん...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...知らず知らず命を惜しんでいたわけでしょうか」こんなことを言って涙ぐむその顔が非常に美しかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...知らず知らずに自分も彼の誘導作戦にかかっている」司馬懿は急に兵を返して...
吉川英治 「三国志」
...知らず知らず思われていたのだ...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...面白いですナ」知らず知らず釣りこまれて聞いていた私は...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
...プラスビイユは知らず知らず身慄をした...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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