...天災の中に鉱毒が混って来たから十年ばかりは知らずにいた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...妻であるこの私が知らずにいたのだから...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...ぼくは家庭というものを知らずに大きくなったのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...知らず知らずに彼を好(す)いてるのだった...
ロマン・ローラン 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...小太郎を見上げて「契りました――知らずに――ゆ...
直木三十五 「南国太平記」
...またわたくしも初めから父というもののあることを知らずに育って...
永井荷風 「ひかげの花」
...やっぱり締切日も知らずにいるのじゃないかと気がついて...
永井隆 「この子を残して」
...朝まで何んにも知らずに居たといふのが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ゆきつくところを知らずにいまもなお混沌(こんとん)としてつづいている...
長谷川時雨 「明治大正美女追憶」
...おろかにも僕は弟のおそろしい恋を最近まで知らずに居ました...
浜尾四郎 「正義」
...知らず知らずにその証言に盲目的な信仰(ファナティスム)を懐くようになり...
久生十蘭 「魔都」
...その頃には何も知らずに眠つてゐたのだらう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それにしても菫の花をいままで少しも知らずにいた私の迂濶(うかつ)さ!……だがそんな迂濶なところのある私だけに...
堀辰雄 「卜居」
...「嘆き」といふことを知らずに居る二人に「嘆くな」といふことを説明する必要はなくなりました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...夜通し飲んだ酒のために神楽(かぐら)の面のようになった自身の顔も知らずに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...舟木のことなど知らずにそのお蝶(ちょう)さんというのを落籍(ひか)したんです...
森下雨村 「五階の窓」
...何も知らずに待つて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...きさまは主人がどんな人間かをこの年まで知らずに仕えてきたのか...
吉川英治 「新・水滸伝」
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