...矢張り黙つた儘で...
石川啄木 「雲は天才である」
...校長も矢張り遣るなと思つた...
石川啄木 「葉書」
...もう死んでしまつてゐないよ』『ぢや矢張り...
伊藤野枝 「嫁泥棒譚」
...時には矢張り鈴木派の人達ばかりで演説会があつた...
上村松園 「写生帖の思ひ出」
...矢張り胸が重苦しかった...
梅崎春生 「風宴」
...……それも矢張り学生は学生なの...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...これも矢張り大體五種になつてゐる...
内藤湖南 「易疑」
...古開神といふのは矢張り外國から來た家柄ではありませぬけれども...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...矢張り主人の用箪笥の中にあつたらしい」長屋へ歸つて來ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...矢張りあの家さ」「へエ――」「これを見るが宜い」平次がそつと出したのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...矢張り最初は二本のうち一本には毒が入って居なかったのだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「行くのはお安い御用だが、そいつは矢張り、お品さんと石原の子分衆で、ラチを明けるのが本當ぢやないのかな、石原町と龜澤町ぢやお膝元過ぎて、おれがちよつかいを出すと、また何んとかいはれるだらう」「でもね、錢形の兄さん」お品は泣き出しさうでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それから矢張り……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そして矢張り私のやうに乘合の出るのを待つてゐるらしい...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...「矢張り餌でつらなければ駄目だ...
牧野信一 「眠い一日」
...君のさう云ふことをいやがつてゐるのは矢張り今でも俺は疑はないが...
横光利一 「書翰」
...心の底にはさうして作つてゐた當時の或る自信が矢張り何處にか根を張つてゐた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...ツイ窓際近く迫つてゐる山に白雲の去來するのを眺めて一杯二杯と重ねてゆく地酒の味と共に矢張り拙いと言ひ切ることの出來ぬものではあつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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