...父と同年で矢張五十九になる母が唯一人殘つたのですもの...
石川啄木 「雲は天才である」
...烏啼の館(やかた)から抜けて来た的矢貫一に違いなかった...
海野十三 「奇賊悲願」
...蜂矢君」検事はポケットからタバコを出して...
海野十三 「金属人間」
...千本というたいそうな矢をお負(お)いになり...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...その矢の方向は一定して變らなかつた...
高濱虚子 「二百二十日」
...矢島さんは毎日急いで家に帰って来た...
豊島与志雄 「過渡人」
...敵娼(あいかた)の女が店を張りにと下りて行った隙(すき)を窺(うかが)い薄暗い行燈(あんどう)の火影(ほかげ)に頻(しきり)と矢立(やたて)の筆を噛(か)みながら...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...やがて熱田から名古屋が焼き払われる――この風聞が街道筋を矢のように飛びました...
中里介山 「大菩薩峠」
...根本的(こんぽんてき)にいふと矢張(やは)り電氣(でんき)の利用(りよう)に過(す)ぎなかつた...
夏目漱石 「門」
...矢張り巽九八郎の悪魔的な頭脳から出た呪いで...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...つゞけて公けにされた矢崎嵯峨の屋の小説...
水野葉舟 「言文一致」
...「――彼を射たのは番所の矢でした」「ああやっぱり」節子は叫んで...
山本周五郎 「おばな沢」
...」矢代はこれで印度洋とアラビアとを廻って来て今パリでボートを漕いでいるのだと思うと...
横光利一 「旅愁」
...」と矢代は悲しそうな声を出した...
横光利一 「旅愁」
...そこへ千鶴子が後から来て矢代から少し離れて立っていた...
横光利一 「旅愁」
...千鶴子耕一郎さま矢代は千鶴子の手紙を読み終ってから...
横光利一 「旅愁」
...たくさんな人影が矢来をめぐッて佇んでいる...
吉川英治 「私本太平記」
...掛矢を振(ふる)って撲(なぐ)り廻ると...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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