...矗乎(ぬつ)と生ひ立つた杉の樹の樣に思はれる...
石川啄木 「漂泊」
...矗立(ちくりつ)した壁面と...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...神門に入らむとして、先づ驚く、筍の如き大巖、直ちに門にそひて、矗々として、天を刺す...
大町桂月 「冬の榛名山」
...朝日嶽直ちに祠を壓して、矗々天を剌す...
大町桂月 「妙義山の五日」
...鮎川義介とか森矗昶とかいった人達が新興の事業家として財界に大きな迫力を持っているのも...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...春水(しゅんすい)や矗々(ちくちく)として菖蒲(しょうぶ)の芽大正六年四月二十二日 春季吟行...
高浜虚子 「五百句」
...突兀として矗立して居る南画風の奇峰の頂辺には...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...矗々(すくすく)と天を刺して居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...矗々タル松杉ハ翠ヲ交ヘ...
永井荷風 「上野」
...椰子(ヤシ)よりも遥かに細くすらりとした檳榔の木立が矗(ちく)として立っている姿は仲々に風情がある...
中島敦 「環礁」
......
仁科芳雄 「NIELS BOHR」
...矗々(ちくちく)として生長した...
服部之総 「志士と経済」
...矗立千尺(ちくりゅうせんせき)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...周囲(まわり)には何か黒いものが矗々(すっく)と立っている...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...――私は、兵隊が「気を附け」の号令を耳にした時のやうに、矗(すつ)くと、其処に立ち続けました...
牧野信一 「晩春の健康」
...安原は向柳原の藤堂佐渡守高矗(たかのぶ)が屋敷に移り...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...矗(すっく)とばかり立ち上りましたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...矗々たる山と、山との間に八月の空がわづかに展けてゐる他には、満目悉く奇岩と銀湍のみである...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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