...九歳に至りて隣村の瞽女(ごぜ)お菊にねだって正式の琴三味線の修練を開始し...
太宰治 「盲人独笑」
...あの瞽女は目も見えないくせに男と密通(くっつ)いて子を孕(はら)んだのだと噂しているのを聞いた事がある...
永井荷風 「伝通院」
...それは瞽女(ごぜ)のお石がふっつりと村へ姿を見せなくなったからであった...
長塚節 「太十と其犬」
...秋のマチというと一度必ず隊伍を組んだ瞽女の群が村へ来る...
長塚節 「太十と其犬」
...狭い店先には瞽女の膝元近くまで聞手が詰って居る...
長塚節 「太十と其犬」
...瞽女はどこまでもあぶなげに両方の手を先へ出して足の底で探るようにして人々の間を抜けようとする...
長塚節 「太十と其犬」
...瞽女でも相当の年頃になれば人に誉められたいのが山々で見えぬ目に口紅もさせば白粉も塗る...
長塚節 「太十と其犬」
...太十は例の如く瞽女の同勢を連れ込んだ...
長塚節 「太十と其犬」
...瞽女(ごぜ)は各自(かくじ)に晩餐(ばんさん)を求(もと)めて去(さ)つた後(あと)であつた...
長塚節 「土」
...小店(こみせ)の座敷(ざしき)には瞽女(ごぜ)の大(おほ)きな荷物(にもつ)と袋(ふくろ)へ入(い)れた三味線(さみせん)とが置(お)いてあつて淋(さび)しく見(み)えて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...晩餐(ばんさん)を濟(す)まして瞽女(ごぜ)が手(て)を曳(ひ)き連(つ)れて來(き)た處(ところ)なのである...
長塚節 「土」
...瞽女(ごぜ)は危險相(あぶなさう)にして漸(やうや)く座敷(ざしき)へ上(あが)つた時(とき)「目(め)も見(め)えねえのにさうだに押廻(おしまは)すなえ」瞽女(ごぜ)の後(あと)に跟(つ)いて座敷(ざしき)の端(はし)まで割込(わりこ)んで來(き)た近所(きんじよ)の爺(ぢい)さんさんがいつた...
長塚節 「土」
...横町の瞽女はああ見えても金持だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...瞽女の嫁入りの話でないとすると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...塩辛声で瞽女唄(ごぜうた)のようなものを歌って門付(かどづけ)をやっているんです...
正岡容 「初看板」
...しかしこういう正式の瞽女の巡ってあるく村里は...
柳田国男 「木綿以前の事」
...めくらの森の瞽女という愛人もいましたし...
吉川英治 「小説のタネ」
...訊けばこれが有名な越後の瞽女(ごぜ)である相だ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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