...村の或家さ瞽女(ごぜ)がとまったから聴きにゆかないか...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...即ち彼は左衛門尉に瞽官を与えたのみならず...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...又禮記禮運も繋辭傳と關係あるらしく、其の太一と天地陰陽四時との關係を説いてあるのは、亦繋辭傳の太極、呂覽の太一を説くと類し、河出馬圖とあるは、繋辭傳の河出圖、洛出書と類し、その上秉蓍龜といひ、卜筮瞽侑、皆在左右といふは、いづれも兩者の關係を示す所の者であるから、畢竟繋辭傳、呂氏春秋並に禮運の三書は其製作の前後如何は論究せずとも、互に或る關係を持つものなることは推測し得ると思ふ...
内藤湖南 「易疑」
...富坂下(とみざかした)の菎蒻閻魔(こんにゃくえんま)の近所に住んでいたとかいう瞽女(ごぜ)である...
永井荷風 「伝通院」
...瞽女かぶりといって大事な髪は白い手拭で包んでそうして其髷へ載せた爪折笠は高く其位置を保って居る...
長塚節 「太十と其犬」
...彼はすぐに瞽女が泊ったのだと知った...
長塚節 「太十と其犬」
...瞽女は危ふげな手の運びようをして撥を絃へ挿んで三味線を側へ置いてぐったりとする...
長塚節 「太十と其犬」
...瞽女もそれを知らないのではない...
長塚節 「太十と其犬」
...更に又瞽女の一人にも飛びついた...
長塚節 「太十と其犬」
...殊に瞽女を知ってからというもの彼は彼の感ずる程度に於て歓楽に酔うて居た...
長塚節 「太十と其犬」
...村落(むら)の者(もの)は段々(だん/\)に瞽女(ごぜ)の泊(とま)つた小店(こみせ)の近(ちか)くへ集(あつ)まつて戸口(とぐち)に近(ちか)く立(た)つた...
長塚節 「土」
...瞽女(ごぜ)は村落(むら)から村落(むら)の「まち」を渡(わた)つて歩(ある)いて毎年(まいねん)泊(と)めて貰(もら)ふ宿(やど)に就(つい)てそれから村落中(むらぢう)を戸毎(こごと)に唄(うた)うて歩(ある)く間(あひだ)に...
長塚節 「土」
...小店(こみせ)の座敷(ざしき)には瞽女(ごぜ)の大(おほ)きな荷物(にもつ)と袋(ふくろ)へ入(い)れた三味線(さみせん)とが置(お)いてあつて淋(さび)しく見(み)えて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...白粉(おしろい)つけた瞽女等(ごぜら)に向(むか)つて揶揄(からか)ふ樣(やう)な言辭(ことば)は彼等(かれら)の間(あひだ)には發(はつ)せられなかつた...
長塚節 「土」
...白(しろ)い手拭(てぬぐひ)を髷(まげ)の後(うしろ)が少(すこ)し現(あら)はれた瞽女被(ごぜかぶ)りにして居(ゐ)る瞽女(ごぜ)が殖(ふ)えたので座敷(ざしき)は俄(にはか)に生(いき)たやうに成(な)つた...
長塚節 「土」
...瞽女(ごぜ)は一(ひと)つに固(かた)まつて成(な)るべくランプの明(あか)るい光(ひかり)を避(さ)けようとして居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...その肥胖(ひはん)のために瞽者(こしゃ)と看錯(みあやま)らるる面(おもて)をば汎(ひろ)く識(し)られて...
森鴎外 「渋江抽斎」
...信玄の次男の瞽聖(こせい)堂の子かともいい...
柳田国男 「山の人生」
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