...ただ茫然と老人を瞻(みまも)っていた...
モオパッサン 秋田滋訳 「親ごころ」
...十字聖架(じゅうじのせいか)万世瞻依(ばんせいせんいす)か...
芥川龍之介 「上海游記」
...フランシスのやうな天才の――フランシスのやうな人こそ根本的の意味に於いて「天才」である――天馬空を行くやうな生涯を瞻仰すれば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...萬客屏息(へいそく)してこれを仰ぎ瞻(み)たり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...冷かに瞻(みまも)りたり...
泉鏡花 「紫陽花」
...はツとばかり胸をうちて瞻(みまも)るひまに衰へゆく...
泉鏡花 「紫陽花」
...忘れたように瞻(みまも)って...
泉鏡花 「婦系図」
...仰き瞻得る様に計れりと云い...
高木敏雄 「比較神話学」
...劉任瞻 馬鹿な野郎だ...
林不忘 「安重根」
...劉任瞻 世の中は理窟ではない...
林不忘 「安重根」
...じろじろと用心したような眼つきで瞻(みまも)ったきり口一つ利かないでやっぱり黙りつづけていた...
近松秋江 「うつり香」
...實にも靈性の深奧に祕密の殿堂をみいだすことは感覺のプリズムに富瞻の色彩を悦樂することである...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...其高風固より国民の瞻仰する所而も未来の総理大臣として公に属望するもの亦少なからざるに於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...母の面(かお)を瞻上(みあ)げながら...
二葉亭四迷 「平凡」
...今わたくしを瞻(みは)っているこの立像の主(あるじ)は...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...その一なる瞻蔔迦(ちゃむばか)の花香能(よ)く人心を蕩(とろ)かす...
南方熊楠 「十二支考」
...聖人作(おこ)るときは天地の萬物皆其徳光を瞻仰す...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...瞻波(せんば)国人善聴...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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