...其処の岩鼻は直下数百尋(ひろ)の渓谷を瞰下する断崖の頂きで岩は一面に微細な青苔に蔽われている...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...物珍し相にこの村を瞰下してゐると...
石川啄木 「赤痢」
...若しそれ市の中央に巍然(ぎぜん)として立つ不来方城に登つて瞰下(みおろ)せば...
石川啄木 「葬列」
...夜目にも著(しる)き橋下の波の泡を瞰下(みおろ)し...
石川啄木 「鳥影」
...暗い山の上から瞰下(みおろ)すやうな心持があつた...
石川啄木 「弓町より」
...おぼろげながら判然(はっきり)と廉平の目に瞰下(みおろ)された...
泉鏡花 「悪獣篇」
...崕(がけ)の上に瞰下(みお)ろして踏留(ふみとど)まる胆玉(きもだま)のないものは...
泉鏡花 「歌行燈」
...立ちはだかりたる身(み)の丈(たけ)豊かに神崎を瞰下(みお)ろしたり...
泉鏡花 「海城発電」
...白雲の大湖水を瞰下(みおろ)してこの山菊を折る...
伊藤左千夫 「白菊」
...秋は谿間の紅葉を瞰下(みおろ)す幽邃な地域に...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...京都を瞰下(みおろ)したんだから...
夏目漱石 「虞美人草」
...椅子(いす)に靠(もた)れて隣家(となり)ばかりを瞰下(みおろ)していた宗近君は「おい...
夏目漱石 「虞美人草」
...瞰下せば牛込見附の堀はまことに寒さうなのであるが...
原民喜 「飯田橋駅」
...庭を瞰下(みおろ)すと...
二葉亭四迷 「平凡」
...小さく瞰下(みおろ)せる...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...あるいは深淵を瞰下(みおろ)して行く...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...溪谷を瞰下(みおろ)す時に同じくそれを覺えないではないけれども...
若山牧水 「樹木とその葉」
...汽車は既によほどの高処を走つて居るらしくその白い瀬は草木の茂つた山腹を越えて遥かに下に瞰下(みおろ)されるのである...
若山牧水 「渓をおもふ」
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