...青ざめた光は屍体の傍に黄色く瞬く通夜の蝋燭の代りと云ふよりは...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...瞬く後に静子の感情を制した...
石川啄木 「鳥影」
...この飛報は、瞬くひまに、山又山を越え、海の外までも傅はりて、一團の愁雲忽ち東海の空を掩へり...
大町桂月 「箱根神社祈願の記」
...『來た! 來た! 木曾の衆が來た!』その叫聲はそれからそれへと瞬く間に傳はつて行つた...
田山花袋 「歸國」
...花火線香のやうにチラと燃えてそして瞬く間に消えて行つて了ふ...
田山録弥 「不思議な鳥」
...色男の器量を瞬く間に下げて了ったようで...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...何うしてそれが瞬く間に此の婆さんの家(ところ)にまで分ったろうか...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...諒闇(りょうあん)の黒布を瞬く間に全天に覆(おお)うたり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...切れの長い眼を瞬く癖とを...
豊島与志雄 「運命のままに」
...ほとんど瞬く間に江戸へ飛んでしまうのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...瞬く赤い灯(ひ)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...マンには、顔を見せず、舷側の棚紐をつたって、猿の敏捷さで、瞬く、間に、高いパナマ丸のデッキを躍りこえた...
火野葦平 「花と龍」
...瞬く隙にワクーラは自分の家の傍へ運ばれてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...これほど多くの瞬くことのない双眸にじっと睨み付けられると奇妙な気後れを覚えた...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...一瞬くらっとなったが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...そして瞬く間に、無味無痛に充満した強力な睡魔(ねむけ)の下にわたしを圧しつぶしてしまう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...現今のような幇間(ほうかん)式お稽古の流行時代だったら瞬く間に翁の門下は絶滅していたであろう...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...妙にチカチカと瞬く星が...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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