...父は汽車ができると同時に半里ほど隔つた本庄驛の停車場の一番よい所に運送店を開きましたが、それも瞬く間に、多くの借金を殘して失敗して了ひました...
石川三四郎 「浪」
...青く瞬く星を鏤(ちりば)めた其隅々(くまぐま)には...
石川啄木 「鳥影」
...――瞬く間である...
泉鏡花 「絵本の春」
...瞬くひまもなく包圍亂打の下...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...この飛報は、瞬くひまに、山又山を越え、海の外までも傅はりて、一團の愁雲忽ち東海の空を掩へり...
大町桂月 「箱根神社祈願の記」
...ビールが勢ひよく瓶から迸り出て瞬く間に一杯にならうとするので三藏はコップを引く...
高濱虚子 「俳諧師」
...『來た! 來た! 木曾の衆が來た!』その叫聲はそれからそれへと瞬く間に傳はつて行つた...
田山花袋 「歸國」
...瞬く間に物のあいろも見えなくなり...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...瞬く隙も戰鬪を中止することあらざらん...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...諒闇(りょうあん)の黒布を瞬く間に全天に覆(おお)うたり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...薙刀の切つ返しが瞬く間に右の脛を襲つたので...
長塚節 「撃劍興行」
...瞬く赤い灯(ひ)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...瞬く隙(ひま)に平次の長屋を焼き落し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...賭場の電灯が瞬くように消えたり点いたりする...
久生十蘭 「魔都」
...遥かに信飛の山上に瞬く星の光を幻想しつつ...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...いくつか瞬く星も明るく...
山川方夫 「昼の花火」
...現今のような幇間(ほうかん)式お稽古の流行時代だったら瞬く間に翁の門下は絶滅していたであろう...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...又この馬はこの国第一の名馬で瞬く間に千里走るという評判があるから...
夢野久作 「白髪小僧」
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