...さうして憎さげに罫の細かな洋紙の上に一瞥を投げた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...他郷の風景に一瞥(べつ)を与える事もいとわしく...
有島武郎 「或る女」
...自分自身の不幸を一瞥して笑ひを禁じえぬ人は...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...非常な憤慨(ふんがい)の一瞥(いちべつ)をくれたので...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...彼は一瞥もくれなかった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...オットーは恐ろしい一瞥(べつ)でそれに答えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...男は不安な一瞥(いちべつ)を彼に与え...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかしそれは自分のもっている技巧のどうする事もできない高い源からこの一瞥(いちべつ)が突如として閃(ひら)めいてしまった後であった...
夏目漱石 「明暗」
...曠原のファンタジア――その蜃気楼を一瞥したときのおどろきを...
久生十蘭 「新西遊記」
...吾々はまず肯定的批判を瞥見(べっけん)して後...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...細君のほうへ一瞥を投げた後...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...」そう問うと歳太郎もちょいと一瞥しながら低い声で「あの少年ですか...
室生犀星 「幻影の都市」
...定明の眼は皮肉な険(けわ)しい一瞥(いちべつ)のかがやきを見せ...
室生犀星 「野に臥す者」
...自分等が一瞥(いちべつ)している関東東部の近世初期の開発地などには...
柳田國男 「垣内の話」
...左に高い鐘楼を一瞥(べつ)した儘(まゝ)僕はサン・マルコ寺(じ)の煤色(すゝいろ)をした扉を押して入(はひ)つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ぎょろと一瞥(いちべつ)をそそぎ合って...
吉川英治 「私本太平記」
...一瞥(いちべつ)を与えながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...中尊の阿弥陀像に一瞥(いちべつ)をくれたまま...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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