...智恵子は清(すず)しい眼を瞠(みは)つた...
石川啄木 「鳥影」
...瞠目(どうもく)に価値(あたい)した...
泉鏡花 「薄紅梅」
...真に思ひ切つたる豪胆無比の御裁決、三浦さまほどの御大身も何もかも、いつさい、御眼中に無く、謂はば天理の指示のままに、さらりと御申渡しなさる御有様は、毎度の事とは申しながら、ただもう瞠若、感嘆のほかございませんでした...
太宰治 「右大臣実朝」
...すこしも怪我はしませんでした」痩せた男は何か思いだしたようにして眼を瞠(みは)った...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...一同は雷に打たれたようにそれを瞠(みつ)めた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...細い目を瞠(みは)って...
徳田秋声 「新世帯」
...二人の僧はいかつい眼を瞠(みは)っていたが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...当のお崎はただ眼を瞠(みは)るばかりです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いっぱいに瞠(みは)られた眼球に...
火野葦平 「花と龍」
...驚ろきと歓びに両の眼を瞠つたまま立ちすくんでしまつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...耳を立てて暗やみに眼を瞠りながら道を急ぎだした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...客瞠若たり...
正岡子規 「読書弁」
...瞠目(どうもく)して見つめないわけにゆかないのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それを聞いた男たちは皆眼を瞠(みは)った...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...露子さんは只もう呆れて眼を瞠(みは)っておりますと...
夢野久作 「キキリツツリ」
...日本左衛門をして瞠若(どうじゃく)たらしめましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...何の機会(はずみ)かぽかりと眼を開いた――そしてその瞳をだんだん大きく瞠(みひら)いていた...
吉川英治 「剣難女難」
...彼方のひろい闇の底に見える無数の灯に眼を瞠(みは)った...
吉川英治 「旗岡巡査」
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