...僧は怪しいその顔を見つけたのか眼を瞋(いか)らしてその方を睨(にら)んだところであった...
田中貢太郎 「竈の中の顔」
...お母さんに叱られるんだもの」聞くと仙吉は眼を瞋(いか)らして威嚇するように...
谷崎潤一郎 「少年」
...心の友に、――我昔所造諸惑業、皆由無始貪瞋痴、従身口意之生、一切我今皆懺悔、こゝにまた私は懺悔文を書きつけます、雪が――雪のつめたさよりもそのあたゝかさが私を眼醒ましてくれました、私は今、身心を新たにして自他を省察してをります...
種田山頭火 「行乞記」
...我昔所造諸悪業皆由無始貪瞋痴従身口意之所生一切我今皆懺悔ああ...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「松山日記」
...しかし、この穏かな平和な田舎(ゐなか)も、それは外形だけで、争闘、瞋恚(しんい)、嫉妬(しつと)、執着(しふぢやく)は至る処にあるのであつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...之を瞋恚の言句もて叱り罵る者あらば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...けたたましい動物の叫(さけ)びと共に眼(め)を瞋(いか)らして跳(と)び込(こ)んで来た青年と...
中島敦 「弟子」
...畜生ツ」お組の爆發する嬌瞋(けうしん)の前に八五郎はまことに散々です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...瞋(いか)り恚(はらだ)ち愚癡我慢...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...瞋恚の眼を光らせながら...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...瞋恚(しんい)して欲せじ...
三木清 「親鸞」
...女も蛇も多瞋多恨...
南方熊楠 「十二支考」
...怪しく疑ひ深き瞋恚(しんに)の心...
夢野久作 「白くれない」
...紛(まぎ)れもなく怖ろしい瞋恚(しんい)にもえて...
吉川英治 「剣難女難」
...それに瞋恚(しんい)を燃やしている呂布にも...
吉川英治 「三国志」
...きっとこの返報は」つい瞋恚(しんい)に燃えやすい怏々(おうおう)の胸を...
吉川英治 「私本太平記」
...儀規(ぎき)は左手に澡瓶(そうへい)を把(と)ることや頭上の諸面が菩薩面・瞋面(しんめん)・大笑面(たいしょうめん)等であることなどを定めているが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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