...凝(ぢつ)と忠太の顏を睨むのであつた...
石川啄木 「天鵞絨」
...およしなさいよ」と顏色をかへて五十嵐を睨む...
高濱虚子 「俳諧師」
...小さな眼が睨むように覗いていた...
豊島与志雄 「蝦蟇」
...」千重子は睨むまねをしたが...
豊島与志雄 「自由人」
...房代夫人は睨むように眺めた...
豊島与志雄 「無法者」
...天下を睨む、大伴の」「九郎助」「稲荷大明神」「こんこんちきな、こんちきな」「置きあがれ、馬鹿野郎――おやおや、喋ってる間に、定公め、一人で、煎餅を食っちまゃあがった」「手前の洒落(しゃれ)より、煎餅の方がうめえ」格子の開く音がして「頼もう」若い侍の声であった...
直木三十五 「南国太平記」
...小太郎を睨むと――膝をついてしまった...
直木三十五 「南国太平記」
...そして「何を、書いている?」吉之助は、筆を置いて「福岡から――出雲守からの便りを聞いたか?」「聞かん」「福岡(斉彬の弟、黒田美濃守長博)、宇和島(伊達遠江守宗城)、南部(南部利剛)の三公と、阿部伊勢とが、内々談合してのう、近日、斉彬公御世継と決まるらしい」「本当か? それは?」俊斎は、睨むように、西郷の眼を見た...
直木三十五 「南国太平記」
...爛々(らんらん)たる眼(まなこ)を以て遠くから兵馬を睨む...
中里介山 「大菩薩峠」
...そういうきれぎれの疑問が道益の念頭を擦過(さっか)したが、娘の幸福を脅かす毒蟲を取って捨てたい、射ち殺してやりたい、踏みにじってやりたい一途な悪念にとりつかれていた折だったので、照尺を睨むなり、「かったいめ、よくも娘をたばかし居ッた」と曳鉄をひいた...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...変な顔してそんなに睨むなよ...
本庄陸男 「白い壁」
...左手はやや曲げて左の膝にあてぐつと睨む...
三木竹二 「いがみの権太」
...いきなり首を突き出して隣りの小父さんの方を睨みつけたと言うのです――後で昇さんから聞きましたすると隣りの小父さんも気がついてその日は鍬こそ振りかぶらないけれど内の父の睨む目つきがあまりに憎々しいので小父さんの方でも次第に喰いつきそうな目でにらむそのまま二三十分も両方で突っ立っていた末に昇さんのお母さんがこちらに向っておじぎをしてから...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...仙太 許す、許さぬ、そ、そんなことじゃねえ! ケッ! お前さん、泣いているが、そ、そんな、これまで同志同志と言って置きながら、そ、そんなアコギな法があるか!(極度に昂奮し、頭も混乱して、加多を突き離して、睨む)そ、そ、そんな自分勝手な法が――...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...また流れの面を辛抱づよく睨むのであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...金吾がじッと睨むのを...
吉川英治 「江戸三国志」
...北越でもこの高綱のうわさは伝えられているものとみえる」睨むように天井を仰いだ...
吉川英治 「親鸞」
...ジロリと黒吉を睨むと...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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