...長閑(のどか)な一夜の睦言(むつごと)を遂げさせたい親切にほかならぬ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...人形とホソボソ睦言(むつごと)を囁き...
海野十三 「人造物語」
...尽きぬ睦言(むつごと)を語り合ったものでございますよ...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...ベッドの睦言の中で...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...ツイゾシンミリトシタ睦言(むつごと)ヲ取リ交ソウトシナイノハ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...夫婦が蚊帳の中にあってそれを眺めながら睦言(むつごと)を交したと云う夜の戯れこそは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...初恋に酔(よ)う少年少女のたわいのない睦言(むつごと)の遣(や)り取(と)りに過ぎないけれども...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...K夫婦の新婚当座の甘い夜毎の睦言を他所に...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...睦言を耳に聞く力も失せつ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...一時(ひとしきり)鳴く音(ね)を止(とど)めた虫さえも今は二人が睦言(むつごと)を外へは漏(もら)さじと庇(かば)うがように庭一面に鳴きしきる...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...お妾との睦言(むつごと)にまで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その睦言(むつごと)の全部を繰り返させた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...細君と二人きりで睦言を交わす時...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...頬をすり寄せて睦言に耽つたりするのが慣ひのA子の妹のやうな女学生のR子(と勝手に僕が称び慣れてゐる)であつた...
牧野信一 「風媒結婚」
...相合傘の蔭で睦言を取りかはした經驗なんか...
正宗白鳥 「雨」
...夫は幾世死ぬよの睦言も聞かず...
南方熊楠 「人柱の話」
...最も悲しき睦言(むつごと)を語れり...
宮崎湖処子 「空屋」
...他愛のない睦言(むつごと)に過ごす半日の二人の仲には...
吉川英治 「江戸三国志」
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