...そしてそれは決してひとりよがりなユートピアを夢みているのではなくて、もっと着実な、(従って社会的には危険な)実行的なものの様に思われました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...日頃着実な地方の農家までが競って思惑株に手を出し...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...着実な職業を学ばんとした決心は殊勝であるが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...真面目な着実なそうして閑寂趣味のものに導いたということを記憶すればいいのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...牡蠣(かき)――生死を問わず――の保持する冷静・ホテル支配人の常識・非芸術的な整頓・着実な平凡・十年一日除幕式のように順序立った日常・節度と礼譲・一歩も社交を出ない紳士淑女のむれ・権威ある退屈――何世紀かにわたる商業と冒険と植民とが...
谷譲次 「踊る地平線」
...この正経着実なる進歩に反してわが邦においてはこの数百年の長程を一瞬一息のうちに奔馳(ほんち)しついにこれがために数百年前封建の残余と数百年後文明の分子と同一の時代において...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...勿論博士自身は極めて着実な典型的科学者であるらしい...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...もっと着実な世間に害のないような職業をやれ...
夏目漱石 「野分」
...それはより着実な考え方で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...謹慎着実なる父母の目には面白からぬ事ながら...
福沢諭吉 「経世の学、また講究すべし」
...既に理想の都市の設計に着実な...
牧野信一 「花束一つ」
...若い人々の生活の満ち漲った熱意と着実な営みとが感じとられたとき...
宮本百合子 「女の行進」
...あなたの着実な健康増進のための努力には...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...着実に体をお養いになるよう私も着実な勉強をつづけますから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あの親切な着実な諸々の器物が...
柳宗悦 「工藝の道」
...たまたま昔風に作ってある着実なものを見ますと...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...着実なヘンリ王子の精神を以てではなく...
和辻哲郎 「鎖国」
...わたくしはこういう点が専門家の着実な研究によって明らかにされる日を待ち望んでいる...
和辻哲郎 「麦積山塑像の示唆するもの」
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