...そしてそれは決してひとりよがりなユートピアを夢みているのではなくて、もっと着実な、(従って社会的には危険な)実行的なものの様に思われました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...着実な職業を学ばんとした決心は殊勝であるが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...着実な人間なんだが...
谷譲次 「踊る地平線」
...船員ちゅうの最年長者であり、また最も着実な、あの魚銛発射手でさえも、みんなの騒ぎに加わっているのである...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...カント自身(この卓越した包括的な着実な文明批評家)は...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...どうも婦人の方が男子より着実な思想を持つてゐるやうですね...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...もっと着実な世間に害のないような職業をやれ...
夏目漱石 「野分」
...迎えてくれた叔父の安兵衛は五十前後の着実な男...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...謹慎着実なる父母の目には面白からぬ事ながら...
福沢諭吉 「経世の学、また講究すべし」
...個人と社会とのそこに到ろうとする着実な一歩一歩のうちに実現されて行く可能なのである...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...若い人々の生活の満ち漲った熱意と着実な営みとが感じとられたとき...
宮本百合子 「女の行進」
...あなたの着実な健康増進のための努力には...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ですが日本には果してどんな着実な手仕事が残っているのでありましょうか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...たまたま昔風に作ってある着実なものを見ますと...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...産業のように着実な火花を散らす...
横光利一 「欧洲紀行」
...併(しか)し着実な其道(そのみち)の人の批判では仮(たと)ひ一円に下(さが)つても会社経営では四五割...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...彼の烈しい伝道の情熱の裏に如何に着実な研究的精神が動いていたかをまざまざと感ずることができるのである...
和辻哲郎 「鎖国」
...わたくしはこういう点が専門家の着実な研究によって明らかにされる日を待ち望んでいる...
和辻哲郎 「麦積山塑像の示唆するもの」
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