...十年着古したホームスパンに変る...
石川欣一 「可愛い山」
...十年着古したホームスパンに変る...
石川欣一 「山を思う」
...二十年も着古した樣で...
石川啄木 「菊池君」
...機会を見て大宅君の着古しの浴衣を盗み出すのは造作もないことだ...
江戸川乱歩 「鬼」
...細君が着古した面(ヴエール)をすぽりと頭から被(かぶ)つてゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...着古しのワイシャツから下はズボンなしの毛むじやらな肥つた円つこい肉のついた脚がによつきりと出た...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...父は着古した夏外套(なつがいとう)をはおって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かき」
...丑尾さんが着古した袖無(そでなし)のちゃんちゃんを着て...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...さんざんに着古した制服を着ていた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...あなたの着古しでもなんでもよろしうございますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...他(ひと)の着古した外套を貰いたがるのは少し矛盾であった...
夏目漱石 「明暗」
...妻が私の着古しのシャツなどを与えると...
原民喜 「翳」
...着古したスプリング・コートのポケットに両手を突込んだまま...
原民喜 「遥かな旅」
...それほど好きだった寝巻も病床で着古し...
原民喜 「忘れがたみ」
...だが、もう古くさくて、ごてごて飾りすぎているし、何度も修繕してあり、着古していて、あなたの年にもあなたの姿恰好にもあなたの地位にもぴったりしません...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...まだ着古したというほどでもないのに...
久生十蘭 「魔都」
...昔の恋人が着古したものを着ながらも貴女(きじょ)らしい艶なところの多かったことの思い出される薫であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どこでだってみな親たちの着古しを直して用いますよ...
山本周五郎 「菊屋敷」
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