...十年着古したホームスパンに変る...
石川欣一 「可愛い山」
...機会を見て大宅君の着古しの浴衣を盗み出すのは造作もないことだ...
江戸川乱歩 「鬼」
...細君が着古した面(ヴエール)をすぽりと頭から被(かぶ)つてゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...こんな着古しをきてゐる彼女は...
竹久夢二 「砂がき」
...「人様がさんざん着古した垢や汗のついたものばかり二...
橘外男 「蒲団」
...着古しのワイシャツから下はズボンなしの毛むじやらな肥つた円つこい肉のついた脚がによつきりと出た...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...父は着古した夏外套(なつがいとう)をはおって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かき」
...……彼女はもうだいぶ着古した地味な色合いの服を着て...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...着古した紫繻子の冬コートだった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...妻が私の着古しのシャツなどを与えると...
原民喜 「翳」
...着古したスプリング・コートのポケットに両手を突込んだまま...
原民喜 「遥かな旅」
...着古した、玉ラシャのオーヴァ・コートに貧苦のやつれを見せたサト子が、豪勢なラクダ色の七分コートを、ふかふかと着こんだ大矢シヅに傘をさしかけられ、沈んだ顔で、街路樹の下を歩いている...
久生十蘭 「あなたも私も」
...まだ着古したというほどでもないのに...
久生十蘭 「魔都」
...大分着古した黒のトウィイドに黒いソフトを深く被って...
牧逸馬 「土から手が」
...おそらくは英吉利旦那(イギリスマスター)の着古しであろうぼろぼろのシャツの裾(すそ)を格子縞(こうしじま)の腰巻(サアロン)の上へ垂らして...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...長屋中の女房が長雨に着古したつぎはぎの汚れた襦袢や腰巻や...
正岡容 「根津遊草」
...ふと着古し膝の丸く出た服のズボンを見下したが...
松本泰 「緑衣の女」
...坑長の着古しの襯衣(シャツ)や古靴なぞを福太郎に貰って来てやったりなぞ...
夢野久作 「斜坑」
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