...函館の停車場に着くと彼はもうその建物の宏大もないのに胆(きも)をつぶしてしまった...
有島武郎 「カインの末裔」
...夕方に着く五日前の東京新聞やら手紙やらが散らかつて居て...
石川啄木 「病院の窓」
...さて、横浜に着く迄に、あなたに訊(き)いておきたかった一言は、やはり、「あなたはぼくが好きですか」でありました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...一軒の真綿屋へ落ち着くことになり...
徳田秋声 「縮図」
...いつでも病人はしばらくのあいだ落ち着くものだった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...上野へ着くと、彼はすぐに何処かへ行ってしまった...
豊島与志雄 「微笑」
...そうなるとまた落着くところに迷うかも知れぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...行き着くと、其處はもう一杯の人だかり、惱ましくも美しかつた、小夜菊師匠の死顏を見る積りか、女も男も、水をブツ掛けられても散りさうもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...多分着く前に死んでるかも知れないお婆さんに會ひに百哩(マイル)の道程(みちのり)を駈けつけるなんてことは決して考へはしない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...不思議なくらゐ私の心も落ち着くのでした...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...ベドフォード・ロウに着くと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...数分でフェアフォードの住宅に着く...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...「ではみんな戻って来るのだな」「もうやがて着くじぶんです」隼人は考えた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...こうしてずいぶん道草を喰いながら筥崎に着くと...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...先ず品川駅に着くとホームの雑音にまじって...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...紫の二枚襲(がさね)に唐織(からおり)の帯の落着く季節...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...江戸へ着くのをさすのである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あらゆる貨物が人為的制限によって束縛されずに自由にその自然価格に落着くに委ねられる時に最も適宜に調整されるのである...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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