...小村さんは真顔で膝(ひざ)に手を置いて...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...」とお蔦も真顔で訝(いぶか)った...
泉鏡花 「婦系図」
...けろりと真顔で向直って...
泉鏡花 「海異記」
...と真顔で進言して...
太宰治 「佳日」
...と真顔でくやしがって溜息(ためいき)をつき...
太宰治 「新釈諸国噺」
...あった!」と真顔で叫んで...
太宰治 「新釈諸国噺」
...それでどうやら二階の狂乱もしずまり、二階に電気がつき、やがて、下にも電気がつきまして、店の戸が内からあいて、寝巻姿の婆と女房は、きょときょと顔を出し、おまわりは苦笑しながら、どろぼうではない、と言って私を前面に押し出しましたら、婆はけげんな顔をして、これは誰ですか、こんな男は存じません、お前は知っているか、と娘に尋ね、娘も真顔で、とにかくあたしたちの家の者ではありません、と答えます...
太宰治 「男女同権」
...なんて真顔で書いているのだから...
太宰治 「鉄面皮」
...女房がヒステリイみたいに口やかましく、君の働きのなさを痛罵(つうば)するものだから、君も大きいこと言って、何か真顔で、きょうすぐお金がはいるあてがあるなんて、まっかな嘘ついて女房を喜ばせ、女房にうんと優しくされて家を出て、さて、なんにも、あてがない...
太宰治 「春の盗賊」
...本人はあくまでも真顔でいるので...
近松秋江 「狂乱」
...酒こそ飲まね新生活の一盃機嫌(いっぱいきげん)で彼はさま/″\の可笑味を真顔でやってのけた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「ずいぶん、ごねっしんね」低声で嫁さんがいうと、「え」と三吉が、真顔でこたえ、嫁さんがまたふきだすと、三吉も一緒にわらった...
徳永直 「白い道」
...それは新聞の写真顔で見覚えのある後藤――その時は子爵であった...
中里介山 「生前身後の事」
...いまに大泥棒になってしまうぞ」主膳は真顔で言いましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...カルルに向って真顔でうなずいて見せる...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...真顔で卑怯な相談を持ちかけた...
牧野信一 「毒気」
...「今まで俺の斯んな心持を真顔で聞いて呉れる者は...
牧野信一 「露路の友」
...なお真顔で執拗くふざけつづけていた...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索